兵庫県が推進する新しい闇バイト対策
最近、若年層を狙った闇バイトの問題が急増しています。特殊詐欺に対する被害も特に目立つ中、兵庫県では民間企業と地方自治体が連携し、高校生を対象にした新しい取り組みが始まります。この取り組みは、株式会社Classroom Adventureが開発した疑似体験ゲーム「レイの失踪」を用いて、闇バイトの危険性を学ぶものです。
闇バイト問題の現状
令和6年の特殊詐欺被害額は過去最高の721億円となり、その中で9割が10代から20代という若い世代が関与しています。なぜなら、彼らはしばしば「騙されて」加担しているのです。ディップ株式会社の調査では、高校生の約23%しかネット上の危険な求人を正しく見極められないとされ、大学生の4割も闇バイトの勧誘を受けた経験があることが明らかになっています。
こうした状況を前に、教育現場は闇バイトへの対応を迫られていますが、従来の教育方法だけでは効果が薄いため、より実践的なアプローチが求められていました。
実践的な学び「レイの失踪」
新しいプログラム「レイの失踪」では、参加者がSNS上で闇バイトに巻き込まれる過程を疑似体験します。このゲームは、闇バイトの典型的な手法を体験することによって、生徒が具体的な勧誘方法や対策を自分自身で学ぶという教育理念を持っています。これまでに40以上の教育機関で導入が決まり、高く評価されています。
参加者の98%が「闇バイトに関する知識が深まった」と回答しており、その効果が実証されています。ゲーム内では、プレイヤーがどのようにSNSを使って勧誘され、そしていかにしてそれに対応するかを体験しながら学ぶことができます。
兵庫県の取り組み
兵庫県では、特殊詐欺の被害が過去最悪のペースで増加しているため、闇バイトへの対策が急務です。この状況を受けて、県は教育機関と連携し、県立高校2校で「レイの失踪」を用いた授業を実施することを決定しました。授業は令和7年3月に行われる予定で、具体的な日程は下記の通りです。
- - 県立姫路商業高等学校 令和7年3月10日 9:45~11:35
- - 県立龍野北高等学校 令和7年3月18日 17:35~19:10
この取り組みにより、闇バイト撲滅に向けた重要な第一歩が踏み出されました。
産学官連携の重要性
闇バイト対策は、社会全体で協力する必要があります。しかし、多くのケースで企業や学校、自治体が個別に取り組んでいるため、連携が不足しています。このような厳しい状況下で、民間企業と地域が協力して打ち出すこの取り組みは、今までにない新しいソリューションと言えます。
今後もClassroom Adventureは、自治体との連携を強化し、闇バイト防止の活動をさらに進めていく方針です。教育関係者や自治体からの問い合わせも歓迎していますので、興味ある方々はぜひご連絡ください。
Classroom Adventureのビジョン
株式会社Classroom Adventureは、慶應義塾大学の学生が立ち上げたEdtechスタートアップで、情報リテラシーをテーマにしたユニークなプログラムを展開しています。さらに、2024年からは国際的なファクトチェック大会も主催予定です。これまでに多くの実績を持ち、次世代の教育をリードしています。
教育の場での新たな挑戦として、自分自身や周りを守るための知識を身につけることが求められています。闇バイトという社会問題を解決するために、若い世代がしっかりと対策を講じていくことが今後の課題です。