芦屋市谷崎潤一郎記念館 新展覧会のご案内
芦屋市の谷崎潤一郎記念館にて、注目の新しい展覧会が開催されます。タイトルは「新人さん いらっしゃい!~新着資料顔見世~」。この展覧会は、令和7年12月13日(土)から令和8年3月8日(日)までの期間にわたって行われ、その名の通り、最近収蔵された資料の数々を紹介します。これらの資料は、それぞれが独自の背景を持ち、谷崎潤一郎という文豪の魅力を新たな形で引き出します。
谷崎潤一郎の秘められた物語
今回の展覧会では、谷崎潤一郎が書いた「肉塊」の自筆原稿や、中国の作家周作人に贈った和歌を軸に仕立てた作品など、様々な文物が展示されます。特に、周作人からの和歌には、谷崎の独特な美意識が表れています。「名もしらぬ草木はあれど紫のゆかりばかりに花咲きにけり」という和歌は、彼の文学への情熱と深い思索を反映しています。
さらに、根津松子宛の書簡も重要な展示物の一つです。この書簡は、1934年に書かれ、谷崎とその最後の妻である松子との禁じられた恋愛が描かれています。水野鋭三郎という友人を介して証言される彼らの人間関係は、当時の社会背景を浮き彫りにします。長尺の巻紙に記された書簡からは、松子が抱えていた苦悩や、彼女を支えた人々の思いが読み取れ、文豪の後ろにいる情熱的な人間模様を感じさせます。
多彩な資料の魅力
他にも、谷崎潤一郎が尊敬していた先輩文豪・永井荷風宛の手紙や、家族への思いを語る医師への書簡、さらには文豪晩年の栄誉を取り巻く資料など、展示される資料は多岐にわたります。特にアメリカの文芸アカデミー名誉会員証は、彼の文学的成果が国際的に認められたことを示しており、訪れる人々に感動を与えます。
展覧会の詳細
この特別展は、谷崎潤一郎の多面的な魅力を体験できる絶好の機会です。この機会を逃さずに、彼の生み出した文学とその背景に迫る深い体験を味わってみてください。たくさんの方々に足を運んでいただけることを心より期待しています。また、記念館では常設展も行われており、谷崎の生い立ちから晩年にかけての人物像や作品の魅力が紹介されています。
展覧会情報
- - 会期:令和7年12月13日(土)~令和8年3月8日(日)
- - 場所:芦屋市谷崎潤一郎記念館
- - アクセス:阪神芦屋駅から徒歩15分。バス利用の場合、「緑町」下車後、徒歩1分。
- - 開館時間:10:00~17:00(初日のみ18:30まで)
- - 観覧料:一般500円、大高生300円、中学生以下無料。団体割引、65歳以上の方は半額。
文豪の世界に浸り、彼の文学の真髄に触れてみてはいかがでしょうか。是非ともこの機会に、谷崎潤一郎記念館にお越しください。