株式会社レゾナックとソイテック社の共同開発契約
株式会社レゾナック(社長:髙橋秀仁)は、フランスの半導体材料メーカーであるソイテック(CEO:Pierre Barnabé)との間に、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体用の貼り合わせ基板に関する共同開発契約を結んだことを発表しました。
この契約により、レゾナックが持つ高品質なSiC単結晶基板と、ソイテック社による基板貼り合わせ技術を併用し、8インチという大口径のSiCウェハーの生産性向上を目指します。
SiCパワー半導体の重要性
パワー半導体は、特に電動車(xEV)や産業機器といったパワーアプリケーションにおいて、今後ますます重要視される分野です。
SiC材料は、一般的なシリコン(Si)に対し、電力変換時のロスや熱の発生を抑えることが可能であり、省エネルギーに貢献するため、その需要は急速に増加しています。しかし、SiC単結晶基板は、品質の均一性が求められるため、製造には高度な技術と時間が必要とされています。そのため、生産性の向上は業界における重要な課題の一つです。
高品質なSiCエピタキシャルウェハーの生産
レゾナックは、SiC単結晶基板にエピタキシャル層を成長させたSiCエピウェハーを生産しており、その品質は国内外のデバイスメーカーから高く評価されています。また、現在8インチという大口径品のサンプル出荷を開始しており、業界のニーズに応えています。
ソイテック社は、独自のSmartSiC™技術を用いて、高品質なSiC単結晶基板を加工し、薄膜分割を行うことで、1枚の基板から複数のシリコンウェハーを生産可能です。この技術は、大幅な生産性向上を実現するだけでなく、製造時のCO2排出量を最大70%削減することも可能です。
環境負荷を軽減した製造プロセス
この共同開発は、環境的な配慮の観点でも重要です。環境に優しいSiCエピウェハーを提供することにより、将来的に持続可能な社会に貢献していくことが期待されています。貼り合わせ基板技術はSiウェハーでは既に実用化され、今回の契約においてレゾナックはソイテック社にSiC単結晶を供給、ソイテック社はそれを使って基板を製造します。両者が協力することで、8インチSiCウェハーの生産性をさらに高め、業界の供給網を多様化していく考えです。
結論
レゾナックは、エネルギー効率化を核に「共創型化学会社」として持続可能な社会の発展に寄与することを狙いとし、SiCエピウェハーのさらなる普及を図っていきます。「ベスト・イン・クラス」の信念のもと、高性能で信頼性の高い製品を提供し続けることで、SiCパワー半導体市場における成長を遂げていくでしょう。
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