大学生の就活事情を探る
株式会社ガロアは、2024年の大学生の就職活動状況と企業研究の方法に関する調査を実施しました。この調査は、全国の約800校に登録する学生を対象に、学年別の就職活動開始状況や企業との関わりを調べることを目的としています。
調査の概要
調査は2024年8月19日から25日まで行われ、1483名の学生が対象となりました。調査の結果、現役の大学生がどのように企業を研究し、どんな企業に魅力を感じ、逆に応募したくない企業の特徴についても明らかにされました。
これにより、学生たちが企業選びで重視しているポイントや、声としてどのような情報が求められているのかを把握することができます。
現在の就活状況
調査の結果、3年生の68%、4年生の70%が就職活動を開始していることがわかりました。しかし、内定を受けるところまで進めている学生は非常に少なく、特に3年生は他の学生と比較してもまだ活動を始めたばかりという状況です。
学生たちは情報収集から始め、実際に応募する段階には至っていないことが多いことが示されています。特に、8月時点では内定を承諾している学生はわずか3%という結果が出ています。
企業研究の方法
学生が企業を研究する際の最も多い手法は「企業のHP」となっています。就職活動の情報収集において従来の「就職情報サイト」に代わり、企業自身の情報を直接得る動きが見られます。学生は企業HPを訪れた後、さらにSNSや動画コンテンツを利用してリアルな情報を収集する傾向があります。
特に最近では、企業の魅力をより手軽に知ることができる動画コンテンツの重要性が高まっているため、今後の企業の情報提供方法についても見直しが求められています。
希望する企業の特徴
「どのような企業に入りたいですか?」という質問に対しては、最も多くの回答が「給料や待遇が良い」と集まりました。しかし働きやすい環境や自己実現ができるかどうかを重視する学生も多く、単に金銭的な条件だけでは判断しないようです。
この結果から、企業は給料面だけでなく、社内の雰囲気や文化を併せてアピールする必要があります。現代の学生たちは、給与だけでなく、働く場所の環境や同僚との関係性も重視しているのです。
応募したくない企業の特徴
逆に「入社したくない条件」には、給料が低いことや待遇が悪いことが共通して挙げられています。この他にも、社員同士の関係が悪いことや、残業が多いなどの労働環境がマイナス要因となることがわかりました。
情報収集においては、会社のサポート情報だけではなく、噂や口コミを通じた情報が重要とされており、企業はこのような負の情報が出回らないようにあらゆる対策を講じる必要があります。
信頼できる情報源
企業研究の際に最も信頼できる情報源としては、在職中の社員からの情報が挙げられています。また、口コミサイトや知人からのフィードバックも信頼性が高まる一因です。そのため、企業は社員との関わりを通じて、外部にどう魅せるかを大切にしていかなければなりません。
例えばOBやOG訪問、インターンシップを通じて、学生との接点を増やすことが非常に効果的であることが明らかになりました。さらに企業の透明性を高め、信頼できる情報を発信することで、学生からの評価も高まることが期待されます。
まとめ
この調査を通じて、日本の大学生がどのように就職活動を進めているのか、またどのような企業を目指しているのかが非常に多くの示唆を与えてくれることが確認されました。企業はこれを参考にしながら、学生のニーズに合った情報提供を行うことが求められています。