阿波銀行が温室効果ガス排出量の可視化に新たな一歩を踏み出す
1900年代初頭に創業した阿波銀行は、地域経済の発展と持続可能な成長を支える金融機関として、近年、環境問題への対策にも力を入れています。そしてこのたび、NTTデータとNTTビジネスソリューションズが協力し、温室効果ガス(GHG)排出量を可視化する新しいプラットフォーム「C-Turtle FE」を導入することが決まりました。この取り組みは、徳島県内の金融機関として初めての試みです。
阿波銀行の環境への取り組み
阿波銀行は、「永代取引によるお客さま感動満足の創造と豊かな地域社会の実現」という明確なパーパスを掲げています。その実現に向けて、地域社会と企業の持続的成長を支えるためのさまざまな取り組みを推進しています。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)にも賛同し、2030年度までに自社のCO₂排出量を2013年度比で50%以上削減し、2050年にはCO₂排出量のネットゼロを目指す方針を示しています。しかし、地域内の中堅・中小企業にとっては、GHG排出量の算定は専門的な知識が求められ、負担が大きいのが現状です。
C-Turtle FEの導入理由
地域の脱炭素経営を実現するため、阿波銀行はこれまで地域企業と連携してきました。しかし、環境問題が複雑化・高度化する中で、支援の質も向上させる必要があると考えられました。そのために選ばれたのが「C-Turtle FE」です。このプラットフォームは、企業が自社のGHG排出量を把握し、データに基づいた経営判断を可能にするものです。
C-Turtle FEの特長と効果
C-Turtle FEの導入により、阿波銀行は投融資先に対してGHG排出量の可視化を支援し、持続可能なファイナンスを促進することができます。プラットフォームは、専門知識がない中堅・中小企業でも簡単にGHG排出量を算定できるように設計されています。
このプロジェクトはただのツール導入にとどまることなく、データに基づいた経営の質を高める新たな共創モデルとして、地域企業全体の脱炭素化を進めていくことを目指します。また、C-Turtle FEは、国際標準であるPCAFスタンダードに準拠しており、ファイナンスド・エミッションを可視化するための高品質なデータ提供が期待されます。
阿波銀行の連携と今後の展望
NTTデータとNTTビジネスソリューションズは、阿波銀行とのパートナーシップを通じて、地域企業への脱炭素経営支援をより一層定量的なデータに基づいた共創型の取り組みへと発展させていきます。この取り組みによって、地域経済全体のカーボンニュートラル実現に貢献できることが期待されています。
このプロジェクトは、単にGHG排出量を可視化するだけでなく、地域内の企業や自治体、金融機関が連携する新たな支援の仕組みを構築することを目指しています。将来的には、データを起点とした脱炭素支援の仕組みを、さらに各地域へと拡大していく考えです。
結論
阿波銀行が「C-Turtle FE」を導入することで、地域の中堅・中小企業における脱炭素経営の支援が大きく進展することが期待されます。持続可能な社会の実現に向けて、地域経済と環境の調和を図る取り組みは、今後ますます重要な役割を果たしていくでしょう。