2026年卒業予定大学生の就職活動動向に関する調査結果
株式会社マイナビが発表した「2026年卒大学生キャリア意向調査」では、内々定の保有率や就職活動の継続率、さらには大学生の不安要因についての興味深い結果が得られました。調査は4月に行われ、全国の大学生、大学院生を対象にしています。
内々定保有率の上昇
調査の結果、4月末の内々定保有率は70.0%となり、前年に比べて5.7ポイントの増加を示しました。これは前年同時期からの増加幅ですが、徐々に増加率は減少しています。例えば、3月1日の時点では8.8ポイントの増、3月末で7.2ポイント、そして4月末で5.7ポイントと推移しています。これは、内々定を得ながらも就職活動を続ける学生が31.2%の微減を見せることと合わせて、就職活動の状況に変化が起きていることを示しています。
文理別の状況
文理別に見た内々定率では、文系が65.1%、理系が77.9%と、理系学生が文系よりも高い結果となりました。理系の強みである専門性を背景にしたジョブ型採用の進展が見受けられます。特に、内々定保有社数に関しては、文系2.1社、理系2.0社とほぼ同数であり、内々定率は理系が高いものの、数的にはほぼ均衡が取れている状況です。
不安を感じる学生の実態
調査から、内々定を保有しつつ活動を続ける学生の過半数が「不安を感じている」と答えました。特に「現在の内々定先企業に入社してよいのか」という疑問を持っている学生が52.8%に達し、次いで志望企業からの内々定獲得に対する不安も51.7%に上ります。また、57.4%の学生は「辞退の意思を伝えていない企業がある」と報告しており、これは内定辞退率の上昇を懸念させる結果となっています。
今後の就職活動への提言
調査に対するコメントとして、マイナビの主任研究員である井出翔子氏は、内々定率の上昇については好意的に捉えつつも、多くの学生が就職先を決めることに不安を感じている点を指摘しています。就職活動はキャリアにとって重要な選択であり、自分のペースでしっかりと考えながら進むことの重要性が強調されていました。焦らずに、自身の希望に見合った企業選びを進めることが求められています。
調査概要
この調査は、2025年4月25日から30日にかけて、マイナビ2026会員を対象としたウェブアンケートで行われ、有効回答数は1,385名でした。文系男子230名、文系女子546名、理系男子293名、理系女子316名が参加しています。詳細結果については、マイナビの公式サイトからも確認可能です。
就職活動は、学生にとって大きな決断が伴う時期です。自身の意思を尊重し、納得のいく就職先を見つけられるよう、今後の進展に期待したいところです。