特定保健指導の成果評価に関する新たな分析結果
株式会社インサイツ(東京・中央区)がこの度、特定保健指導の成果評価に関する重要な分析結果を公表しました。この分析は、特定保健指導“成果の見える化”コンソーシアムの活動の一環として実施され、令和6年度から始まる第4期特定保健指導における成果評価に関するものです。
分析結果の概要
まず注目すべきポイントは、特定健診からの腹囲や体重の変化を基準とした主要達成目標と、初回面接時からの腹囲・体重変化という介入成果との間に明確なギャップが存在することが確認された点です。このことは、初回面接までに経過した日数が腹囲や体重に与える影響が大きいことを示唆しています。
主要達成目標の見直し
第4期の特定保健指導において設定されている主要達成目標は、特定健診時から腹囲を2cm減少させ、体重を2kg減少させることです。しかし、今回の分析によれば、初回面接以降の行動変容や体重・腹囲の変動は、特定健診から初回面接までに経過した日数によって影響を受けることが多いとされています。そのため、成果評価を行う際にはこの経過期間を考慮する必要があります。
調査データの詳細
分析に用いられたデータは510件で、特定健診受診から初回面接までの所要日数は平均で202日、すなわち約6〜7か月です。この期間中に、特定健診時点の体重が初回面接時に+0.4kg増加している傾向が見られることも新たな発見です。
初回面接時の影響
興味深いことに、初回面接時点で腹囲や体重が増加している人々は、主要達成目標を達成できる可能性が低くなる一方、介入後に体重減少の効果を実感する場合が多いことも分かりました。逆に、初回面接時にすでに減少している場合は、目標達成が容易である反面、その後の追加的改善が乏しいことも指摘されています。
評価の重要性
このように、初回面接時の腹囲や体重の変動がその後の成果評価に大きな影響を与えていることが明らかとなりました。特定保健指導の成果を正確に評価するためには、主要達成目標と介入成果を異なる指標として整理し、併せて確認することが重要です。インサイツは、今後もこの成果の“見える化”を進め、保険者や関係機関にとって価値のある知見を提供していく方針です。
株式会社インサイツについて
インサイツは、健康保険組合に加入する人々向けの健康増進サービスや健康情報の分析・評価を行っている企業です。ヘルスケアコンサルティングやICTサービスを通じて、利用者の健康維持に寄与することを目指しています。興味のある方は、
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