デジタル人材の育成の新たな試み「DXスタートスタディ」
株式会社ベネッセコーポレーションは、企業向けの新しい学習支援プログラム「DXスタートスタディ(通称:スタスタ)」を開始しました。このプログラムは、法人向けのオンライン学習プラットフォーム「Udemy Business」を利用する企業を対象に、無料で提供されます。プログラムの目的は、企業内でのデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXに必要なリテラシーを育成し、従業員が自ら学ぶことを促進することです。
DXの重要性とリスキリングの必要性
最近の調査から、DXの推進において従業員のリスキリングが不可避であることが明らかになっています。企業の大多数がリスキリングを重要視しているものの、実際には学んだ内容を業務に活かすことができていないケースが多いことが分かりました。「学習に対するサポートを受けている」と感じる従業員は70.5%にも関わらず、実際にその学びを業務に活用しているのはわずか25.8%です。これらのデータを踏まえ、ベネッセは「スタスタ」を通じて、従業員が実践的なスキルを身につけるための環境を整える重要性を理解し、提供していくことに注力しています。
プログラムの特長
1. 自律的な学びをサポート
プログラムでは、受講生が次に何をすればよいかを明確にすることで、その主体的な学習を促進します。具体的には、基礎知識の理解を助けるための解説動画や再診断を通じて、受講生が自律的に学ぶ意欲を高める仕組みを用意しています。
また、プログラムの一環として作成されたオリジナルのマンガ教材も導入しています。これにより、受講者にとってDXの概要をより親しみやすく伝えることができ、興味を引きやすくする狙いがあります。
2. DXの基礎力をわかりやすく診断
プログラムでは、経済産業省が定めた「DXリテラシー標準(DSS-L)」に基づき、受講者のDXに対する理解度を約20分のテストで評価します。「Why」、「What」、「How」を確認し、その結果に応じた学習が可能となる仕組みを整えています。これにより、受講者はDXに関する基礎知識をしっかりと把握し、次のステップへと進むことができます。
3. 学びの進捗を可視化
受講者の学びの進捗状況を管理するための機能も充実しています。管理者は、受講者の学習進度やテストの結果を簡単に把握し、必要に応じてアドバイスやリマインドを行うことが可能です。また、学習を進めにくい受講者に対しては、各進捗段階に応じたサポートを行うことで、より効率的な学びを実現します。
4. カスタマイズ可能な学習機会
受講者は、約30,000の講座の中から、自身の業務に関連するスキルを見つけることができる「おすすめ講座診断」を通じて、実践に即した学びを得ることができます。この点は、受講者の業務に直結したスキルを習得する上で大きなメリットとなります。
ベネッセの取り組み
「DXスタートスタディ」を展開するにあたり、ベネッセ社会人事業本部の内木場 絵理 部長は、プログラムの開発意図について「DXの基礎をしっかりと学び、実務に直結した自律的な学びを促進する設計が特長です」と述べています。
これからも、このプログラムを通じて従業員がDXスキルを獲得できるよう、ベネッセは企業向けの研修や人材育成プランを提案していく方針です。
まとめ
デジタルトランスフォーメーションが求められる現代において、企業の持続可能な成長には、人材育成が欠かせません。ベネッセの「DXスタートスタディ」は、従業員に自ら学ぶ意義を感じさせ、実務へと繋がる学びを提供することで、企業のDX推進を強力にサポートしていきます。その一歩を踏み出す機会として、多くの企業にとって必要不可欠なプログラムとなるでしょう。