中小企業の給与・勤怠管理の現状
弥生株式会社が実施した調査によれば、中小企業における給与計算や勤怠管理、労務管理のデジタル化が依然として遅れていることが明らかになりました。この調査は、全国の従業員が100名未満の中小企業の経営者や人事担当者を対象に行われ、さまざまな実態が浮き彫りになっています。
調査結果の概要
調査結果によると、給与計算ソフトの導入率は41.6%にとどまり、特に従業員数が10人未満の企業においては29.6%とかなり低い水準です。さらに、勤怠管理ソフトの導入率は28.1%、労務管理ソフトでは13.8%に過ぎず、これらの管理業務のデジタル化は進んでいない状況が示されました。
多くの企業が未だに手書きやExcelを利用している背景には、担当者が複数の業務を兼任していることが影響しています。特に小規模企業では、1人の担当者が多くの業務をおこなっており、そのため業務負担が増大しています。
手作業が根強い管理方法
給与計算ソフトを導入していない企業の74.1%はExcel等を利用しており、さらに19.0%が手書きで給与管理を行っています。同様に、勤怠管理においてもExcel利用が67.3%であり、手書きが24.7%に達しています。このように、手作業での管理が依然として多くの企業で行われており、業務の効率化が求められます。
業務負担と人員不足
人事・労務担当者は、他の業務と兼任している割合が高く、調査によると専任担当者はわずか34.8%にとどまり、65.2%が複数業務を兼任しています。この結果は、特に従業員数の少ない企業で顕著であり、その業務の属人化も問題視されています。また、多くの企業が人員を増やす予定がない中で、業務効率化がますます必要とされています。
具体的な業務課題
調査では、給与・勤怠・労務管理における具体的な課題も挙げられました。「計算・入力ミスや漏れ」が最も多く、26.1%を占めています。次いで「事務処理に時間がかかる」が21.1%、属人化が19.6%、情報管理や更新の手間が16.5%と続きます。これらは企業規模にかかわらず共通する問題となっています。
ソフト導入に対する懸念
ソフトを導入していない理由として最も多かったのは「利用コストが高そう」が26.2%で、他にも「業務効率化につながらなさそう」、「社内のITリテラシーが追いつかない」などの懸念が示されました。このような懸念から、導入に対して慎重になる企業が多いことが分かります。
まとめ
弥生株式会社の調査結果からは、中小企業における給与・勤怠・労務管理のデジタル化が進んでいないという厳しい現実が浮かび上がっています。多くの企業が効率化の必要性を感じているものの、実際の導入には多くの障壁があります。今後、業務のデジタル化を進め、業務効率を向上させるためには、効果的なツールの提供と導入支援が欠かせません。弥生は、このような現状を改善するために、ユーザーが使いやすいソフトウェアとともに、サポート体制を強化していくことが求められます。
【調査概要】
- - 調査期間:2025年2月28日~3月2日
- - 調査対象:全国の100名未満の中小企業経営者・人事担当者 1,000名
- - 調査方法:インターネットによるアンケート調査
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