新除細動システム
2023-08-31 14:15:38

心臓内と体表での除細動を両立する新システムを発表

フクダ電子の新たな心腔内除細動システム



心臓疾患の治療において重要な役割を果たす心臓除細動の技術が進化を遂げています。フクダ電子株式会社は、心室細動や心房細動の治療に新たなソリューションを提供するために、心腔内除細動システムを発表しました。この新システムは、1台で体表と心臓内での電気ショックの両方を実現することが特徴です。

1台2役の利便性


従来の心臓除細動器は、心臓内での電気ショックを行うために専用の機器が必要でした。しかし、フクダ電子の新製品は、AED(自動体外式除細動器)モードを搭載した手動式除細動器であるダイナハートFC-6200シリーズを基にしており、これにより1台で体表での除細動と心腔内での除細動が可能になりました。この利便性の向上は、医療現場において大きなメリットをもたらします。

短縮された充電時間


新システムには、フクダ電子が開発した“MAJET Biphasic Circuit”と呼ばれる独自のテクノロジーが搭載されています。この技術により、電気ショックエネルギーの充電時間が大幅に短縮され、心臓内除細動の場合は1秒以内、体外用除細動の場合は最大でも2.5秒以内で済みます。これについて、江戸川病院の循環器内科部長である慶田毅彦医師は、「心房細動カテーテルアブレーション手術中に電気ショックを行うタイミングが多く、充電時間が短いことは非常に重要です」と述べています。特に心房細動が瞬間的に再発するような場合、このシステムの有用性が際立つでしょう。

高い設置自由度


本製品は手動式除細動器と心腔内除細動ボックスが10mのケーブルで接続されているため、医療現場での設置が非常に柔軟です。これは、術者や医療スタッフの動線に合わせて効率的な配置が可能であることを意味します。現場での作業効率の向上が期待されます。

国産製品としての誇り


この心腔内除細動システムは、東日本大震災の影響で移転したフクダ電子多賀城研究所において新たに生産された国産製品です。フクダ電子ファインテック仙台株式会社が生産を担っており、地域経済の発展にも寄与しています。

フクダ電子の歩み


フクダ電子は1939年に設立以来、国産心電計のトップメーカーとして医療機器の製造・販売に取り組んできました。社長の白井大治郎氏は「社会的使命に徹し、医療の進歩に寄与する」という理念のもと、これからも医療テクノロジーの発展に努めていくと語っています。年々増加する心房細動治療の需要に応えるべく、心腔内除細動システムの提供により、医療機関や患者に貢献することが期待されています。

新たに登場したフクダ電子の心腔内除細動システムは、医療現場に多くの可能性をもたらす革新的な技術と言えるでしょう。今後の展開に注目が集まります。

会社情報

会社名
フクダ電子株式会社
住所
東京都文京区本郷3-39-4
電話番号
03-3815-2121

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