働きがいに関する実態調査結果の公開
株式会社三菱総合研究所(MRI)は、厚生労働省の委託を受けて実施した「令和6年度働く人のワークエンゲージメントの向上に向けた支援事業」の一環として、全国の企業1万社を対象に行ったアンケート調査の結果を公開しました。この調査は、企業における「エンゲージメント」、つまり従業員が持つ仕事へのやりがいや熱意の向上を図ることを目的としています。
調査の背景と目的
従業員のエンゲージメントは、企業の生産性向上や持続的な成長を図るためにますます重要視されています。この背景には、労働環境の変化や働く人々の価値観の多様化が挙げられます。MRIは令和5年度にこの取り組みをスタートし、価値を理解するためのリーフレットや職場づくりのヒントをまとめたハンドブックを作成しました。
とはいえ、企業におけるエンゲージメントの具体的な認知度や、働きがい向上による職場の実際の変化は定かではありません。そこで、今回は調査結果を通じてその実態を明らかにすることが目的でした。
調査の概要
調査は2024年の8月から10月にかけて実施され、約2,400社から回答を得ました。主な調査結果は以下の通りです。
1. エンゲージメントの認知度
調査によると、「エンゲージメント」という言葉の知名度は意外と高いことが明らかになりました。大企業では約90%が聞いたことがあると回答し、中小企業でも70%が認知しているとのこと。さらに、大企業ではその70%近くが言葉の意味まで理解しているという結果が出ています。これは、エンゲージメントが多くの企業で働く人々の重要なテーマとして位置づけられていることが伺えます。
2. 働きがい向上による職場の変化
また、働きがい向上の結果、実際に「従業員の定着率の向上」「チームの団結力の強化」「仕事への意欲の向上」といったポジティブな変化が職場に見られることも判明しました。これらの変化は単なる数字の向上に留まらず、職場の雰囲気や人間関係にも大きな影響を及ぼしていると考えられます。
さらなる取り組み
MRIは今後も厚生労働省からの委託を受け、「令和7年度働く人のワークエンゲージメントの向上に向けた支援事業」を続けていく予定です。この活動の一環として、企業インタビュー調査や取組マニュアルの作成、セミナーの開催を計画しています。これらの活動は従業員の働きがい向上だけでなく、それに関連する企業文化の形成にも寄与するでしょう。
結論
この調査結果は、企業がどのように従業員の働きがいを高め、エンゲージメントを向上させるかに関する貴重な示唆を提供します。働きがいのある職場づくりは、企業の持続可能な成長に寄与する基本であり、今後の取り組みから目が離せません。