足元を暖めるヒーターの危険性
寒い冬、冷えた足元を優しく温めてくれるアイテムとして、電気あんかやカイロ、電気マットが広く使われています。しかし、これらの製品は一歩間違うと重大な事故を引き起こす可能性があるのです。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が警告を発しています。これから紹介する製品の事故例とともに、安全に使うためのポイントを確認しましょう。
1. 電気あんかの事故
電気あんかは布団の中を温めるために使用される製品ですが、就寝中に布団内に入れっぱなしにすると、低温やけどの危険性があります。これに留意しないと、事故につながることがあります。実際、2015年には、10代の男性が太ももに低温やけどを負った事例も報告されています。これは長時間電気あんかに接触したためと考えられています。
さらに、電源コードに無理な力を加え続けたり、巻き付けたりすると、コードが損傷し発火の危険が高まります。使用中にコードを破損し、焦げる事故もありますので特に注意が必要です。
【安全対策】
- - 就寝前に布団を温め、使用後はスイッチを切り、身体から離すことが重要です。
- - 電源コードは優しく取り扱い、無理に曲げないよう心がけましょう。
2. カイロによる事故
携帯用カイロは寒い冬の必需品ですが、長時間同じ部位に使用すると低温やけどを引き起こすリスクがあります。特に2018年には、70代女性が布団内でカイロを使用し、低温やけどを負った事例が確認されています。睡眠中、感覚が鈍っている状況下での使用は特に危険です。
【安全対策】
- - カイロを直接肌に接触させず、布で巻くなどして使用すること。
- - 就寝時には使用を避け、長時間同じ部位を温めないよう心がけましょう。
3. 電気マットの事故
電気マットも同様に、適切に使わないと事故を引き起こす要因となります。2022年には、就寝中の使用から火災事故に繋がった事例も検証されています。使用中にヒーター線がずれたり、使用条件が守られていなかったための火災でした。
【安全対策】
- - 電気マットは就寝時には決して布団の中に入れないこと。
- - 使用中は本体を折り曲げたりしわを寄せたりせず、適切な状態で使用することが重要です。
低温やけどとは
低温やけどは、温かいと感じる温度でも長時間同じ部位に接触することで皮膚の深部まで熱が伝わり、皮下組織が壊死する重傷事故を引き起こす可能性があります。特に高齢者や幼児、体調に不安のある方にとっては注意が必要です。
まとめ
寒い冬に冷えた足元を暖めてくれる電気あんか、カイロ、電気マットですが、正しい取り扱いをしなければ危険が伴うことを忘れないようにしましょう。NITEでは、製品事故に特化した情報を提供するウェブサービス『NITE SAFE-Lite』を通じて、さらなる注意喚起を行っています。快適に冬を乗り切るために、ぜひ安全対策を見直してみてはいかがでしょうか。