フジテックがシンガポールで画期的な規格認証を取得
フジテック株式会社は、シンガポール政府が推進するエレベータのメンテナンスに関する新しい規格認証を日系メーカーとして初めて取得したことを発表しました。この規格は、シンガポールの都市特性に応じた遠隔監視を利用した、革新的なエレベータ保守の枠組みを提供するものです。
シンガポールの高層建築とエレベータの重要性
シンガポールはその限られた国土を有効に活用するため、高層ビルが立ち並ぶ都市です。それに伴い、エレベータは社会インフラの重要な一部となっており、保守が迅速かつ効率的に行われることが求められています。特に、近年ではエレベータの保守技術者の高齢化が進んでいるため、政府はメンテナンス手法の革新を早急に進めています。
新たなエレベータメンテナンス規格
2022年8月、シンガポールの建築建設庁は「遠隔監視を用いたエレベータのメンテナンス規格」を制定しました。この新しい取り組みは、世界中で初めての試みであり、特定のエレベータに対して6カ月ごとに機能評価を実施し、認証を取得することが求められます。これにより、従来の有人点検の頻度が月1回から3カ月に1回に減少します。
この新規格では、遠隔監視システムを活用し、24時間体制でエレベータの稼働状況をモニタリングし、不具合の予兆を早期に捕捉することが求められています。フジテックがこの規格にて認証を受けたシステム名は「Fujitec Elemori」で、2024年7月に認証を取得しました。
フジテック・シンガポールの取り組み
今回の規格取得により、フジテック・シンガポールは、特にシンガポール政府が土地開発と管理を行っているJTC向けのエレベータにおいて認証を取得しました。認証取得にあたり、フジテックは遠隔監視システムを刷新し、エレベータ制御盤の改修およびビル管理者が稼働状況を確認できる新しいアプリを開発しました。今後、同国での適用を広げていく計画です。
フジテックは新たな中期経営計画「Move On 5」に基づき、グローバルにおける遠隔監視システムの導入を進めています。高度なデジタル技術を駆使し、データ収集と解析を行うことで、エレベータの予防保全をより効果的に実施し、利用者にさらに安心・安全を提供することを目指しています。
フジテックの概要
フジテックは1948年に設立されたエレベータ、エスカレータ、動く歩道の専業メーカーです。国内外で研究開発から製造、販売、保守・リニューアルに至るまで一貫して行っており、安全で快適な移動空間を提供しています。社長の原田政佳氏が指揮する同社は、世界24の国と地域で事業を展開し、信頼のあるインフラを構築しています。
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フジテック株式会社