新津きよみの新作短篇集『妻が余分』の魅力とは
短篇ミステリーの名手、新津きよみ氏が新たに手がけた短篇集『妻が余分』が、11月11日(火)に徳間文庫から発売されます。この作品は、定年退職を控えたシニア世代の人々に向けた7つの物語を通じて、人生の中での人間関係や身の振り方について考えるきっかけを提供しています。
ストーリーの核心
作品の中心となるのは、主人公・小宮山元が定年退職を目前に控え、長い間離れた家庭に戻ってきたところから始まります。彼は帰宅すると、知らぬ間に同居する義母や、愛着のある物が妻によって勝手に処分されたことに直面します。そんな彼が空き家となった実家を整理する中で、思いがけない発見をする姿は、読者に様々な感情を呼び起こします。
熟年世代の苦悩と希望
新津氏は、この短篇集を通じて、シニア層が直面する人生の曲がり角や人間関係の複雑さを軽快に描いています。全7編の物語はそれぞれ異なるキャラクターが登場し、熟年からどう生きるべきかというテーマを掘り下げています。例えば、表題作「妻が余分」では、家庭内の変化に戸惑う主人公の姿を通じて、誰が本当に自分の「一緒にいたい人」なのかを問いかけます。
読者が考えるべきこと
著者の新津きよみ氏はこの短篇集を通じて、人生100年時代におけるセカンドライフやサードライフに向け、読者に様々な学びや生き直しの機会を提案しています。自身の人生を振り返りながら、新たな一歩を踏み出す勇気を得ることができるでしょう。
著者の背景
新津きよみ氏は1988年に作家デビュー以来、女性の心理や人間関係を深く描いた作品で知られ、多くの定評を得てきました。彼女の作品には映像化されたものも多く、本書『妻が余分』は彼女の単著として98冊目となります。長野県出身で青山学院大学を卒業し、以来数々の短篇を執筆してきました。
書誌情報と特別公開
『妻が余分』のカバーイラストは夜久かおりが手掛け、文庫判で336ページ、定価935円(税込)です。興味のある方は、書籍の一部を特別に公開しているページもありますので、ぜひご覧ください。
終わりに
新津きよみの短篇集『妻が余分』は、人生の選択や人間関係の葛藤を描く珠玉のお話です。この作品を通じて、多くの読者が自らの人生について考え直すきっかけとなることでしょう。興味のある方はぜひ手に取ってみてください!