地域を愛するKUSKA、地元高校のネクタイを無償提供し伝統を守る

クスカ株式会社は、京都府丹後地方を中心に丹後ちりめんの伝統を引き継ぎながら、自社ブランドのKUSKAを展開しています。KUSKAは1936年に設立され、長い歴史を持つ企業でありながら、近年では地場産業の衰退を受けて、自社の立ち位置を見直し、新しい道を歩んでいます。

特に、2010年以降は大量生産から職人の手による伝統技術を生かした製品作りにシフトしており、着物に使われる丹後ちりめんの技術を活用しています。こうした取り組みにより、地元生産にこだわった高品質な商品を提供し、国内外でその品質が認められています。実際、国内大手のセレクトショップや銀座和光とのコラボレーションを果たし、さらにはイタリア・フィレンツェの展示会PITTI UOMOにも出展するなど、国際的な展開も行っています。

KUSKAは地元への愛を伝えるため、今回、新たに設立される清新高等学校の制服用ネクタイを独自にデザインし、製作しました。このネクタイは無償で提供されており、生徒たちが地元の伝統産業に直接触れる機会を創出することを目指しています。

清新高等学校は、地域の教育機関再編に伴い、71年ぶりに新設された学校です。様々な教育プログラムを通じて、生徒たちは地域への愛着や誇りを深めることが期待されています。KUSKAのネクタイは、このプログラムの一環として、地域に対する理解と愛情を促進する役割を果たします。

具体的には、KUSKAは清新高等学校のネクタイに耐久性を考慮して糸の太さや撚りを工夫し、独自の織りパターンを採用。さらに、ネクタイの大剣部分には、丹後のシンボルである日本固有種「トウテイラン」を刺繍しました。これにより、生徒たちがこの地域を象徴するデザインのネクタイを身に着けることができるのです。

KUSKAの企業理念には、「昔の織り技法で今のライフスタイルを創造する」ことがあり、これを基にしたモノづくりに力を入れています。伝統を守りつつ、新しい時代に合わせた商品を生み出すことが、地域発信型のブランドとしての地位を確立することにつながっています。

今後もKUSKAは、丹後地域の地場産業の活性化と作り手の雇用創出に貢献しながら、地域の伝統を広める活動を続けていくでしょう。地域愛と伝統産業を結びつける取り組みは、他の企業にも良い影響を及ぼすと期待されています。

これからもKUSKAの活動から目を離せません。彼らの挑戦は、地域の未来を担う若者たちにとっても大きな意味を持つはずです。