サルコペニア実態調査
2024-08-09 16:35:33

高齢者専門大学病院でのサルコペニア実態調査に見る食品摂取の多様性の重要性

高齢者専門大学病院におけるサルコペニア実態調査



最新の調査結果が示す通り、高齢者の健康を脅かすサルコペニアの有病率が高まっています。順天堂大学の研究グループが行った調査では、サルコペニアの有病率は21.4%と、一般の地域住民における約14%を大きく上回っています。この結果は、特に高齢者の健康における新たな課題を浮き彫りにしています。

サルコペニアとは


サルコペニアは加齢に伴う筋肉量や筋力の減少を指し、寝たきりや要介護に直結し得る深刻な状態です。特に日本は超高齢社会に突入しており、サルコペニアの予防が急務とされています。今回の調査は、これまで明確にされていなかった高齢者専門の医療機関におけるサルコペニアの実態を探るものでした。

調査の概要


調査は、多職種による前向きコホート研究「JUSTICE研究」の一環として実施され、総計1042名の高齢者が対象となりました。調査のポイントは、サルコペニアの有病率だけでなく、患者の食品摂取の多様性にも焦点を当てました。興味深い結果として、サルコペニアが診断された患者は、食品の摂取が多様でない傾向が見られました。

食品摂取の多様性


調査結果によると、食品摂取の多様性が低いことは、サルコペニアのリスク因子として明らかになりました。具体的には、様々な食品群をバランス良く摂取することが健康な体を維持するためには不可欠であることが示唆されています。このことは、高齢者が持つべき食生活の重要性をさらに強調します。

サルコペニア患者の特徴


調査を通じて明らかになったのは、サルコペニア患者が主に高齢の男性に偏っていること、併存疾患として糖尿病や骨粗鬆症が多く見られることなどです。また、認知機能が低下している傾向があり、これもサルコペニアとの関連が指摘されています。

健康への影響


この調査結果は、ただ単にサルコペニアの有病率を示すにとどまらず、食品摂取の多様性が不足すると、さらなる健康問題を引き起こす可能性があることを示しています。さらに、このような健康状態は、高齢者のQOL(生活の質)を低下させ、ひいては介護負担の増加にもつながりかねません。

結論と今後の展望


順天堂大学でのこの研究は、老年医学の分野における重要な知見を提供し、今後の研究や診療にも大きな影響を与えることが期待されます。高齢者の健康を確保するためには、幅広い情報の提供と、食品摂取の多様性を増やす取り組みが重要です。この調査結果を基に、さらに高齢者の健康寿命延伸を目指した研究が進展することが期待されます。

本研究の成果は、2024年6月にBiomedical Reports誌に掲載されました。具体的な内容は『AWGS 2019診断基準による高齢者専門大学病院におけるサルコペニアと食品摂取多様性の関連』として報告されています。


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電話番号
03-3813-3111

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