「兵庫のものづくり×台湾デザイン」展示、大阪・関西万博で新たな創造力を発信

大阪・関西万博での「兵庫のものづくり×台湾デザイン」展示

大阪・関西万博にて、特別展示「HYOGO X TDRI ものづくりとデザインの融合 ― 暮らしを彩る、兵庫と台湾彰化の共創」が行われます。この展示は、兵庫県の公益財団法人神戸ファッション協会と台湾の財団法人デザイン研究院（TDRI）が協力し実現したものです。兵庫の伝統的な工芸に台湾の革新デザインが結集し、新たな魅力を生み出しています。

台湾のクリエイターが兵庫を訪問

2024年より、台湾のクリエイターたちが兵庫を訪れ、地域の工芸品や職人技術を学ぶプロジェクトが進行中です。丹波焼、淡路瓦、神戸レザー、豊岡鞄などの地方産業と近接し、創作活動に取り組む中で、彼らは現地の素材に触発されています。たとえば、蘭の栽培に使われるネットを生かしたバッグ、丹波焼の鉢と蘭の花を組み合わせた商品、リサイクルPET素材を用いた作品などが生まれています。

文化的共通点の発見

兵庫と台湾・彰化の両方は、製造業を基盤にした地域であるだけでなく、歴史を持つ港町としても知られています。共通点としては農業との関わりもあり、その農業文化が作品にも息づいています。本展示は「藍海」「白光」「緑息」という3つのモチーフを用いて、両地域の共有点を強調。藍は港町の歴史と海を示し、白は兵庫の朝霧や塩に照らされる陽光、緑は豊かな自然と創造力を象徴しています。

クリエイターの作品紹介

本展示では、6人のクリエイターによる8つの作品を出展しています。生活に必要なアイテムからファッション性のある外出用アイテムまで多岐にわたり、温かみのある手仕事と洗練されたデザインを表現。参加者の皆様に「くつろぎのある暮らしと、洗練された外出スタイル」の概念を体現した作品を楽しんでいただける内容になっています。

淡路瓦とのコラボレーション

淡路瓦を使った作品には、台湾の工業デザイナー周育潤氏と国立台湾師範大学の学生たちが共同開発したアイテムが含まれています。「香る瓦 ― 収納付き瓦の線香台」は、淡路の線香工芸に注目した作品で、香りの文化を瓦に表現しました。小型の淡路瓦を重ね、屋根を模したデザインにし、線香の収納機能も併せ持ち形を整えています。

丹波焼の新しい息吹

丹波焼のプロジェクトでは、「伝市窯」とのコラボで台湾のフローリスト凌宗湧氏がデザインした器皿が展開されています。「山野の積み木 ― 蘭花と苔の美を宿す丹波焼の器」では、無穴式の排水層を設計し、蘭と苔の両方を育てられるシステムを提案しています。

神戸レザーの新たなデザイン

神戸レザーとの協力で生まれた「白のハーモニー ― 神戸牛革とリサイクル素材のキャップ」は、リサイクル素材と神戸レザーを組み合わせ、機能性と美しさが両立されています。シンプルながらも刺繍が際立つデザインは、現代的なアイテムとして注目を集めています。

豊岡鞄の革新

豊岡鞄の展示には、台湾のクラフトユニットと連携した作品も登場。バナナシルクを用い、フィリピンの職人技術を取り入れた「三つの手が結ぶ」バッグは、地域間の創造的なコラボレーションを象徴します。

展示の詳細について

展示は大阪・関西万博会場内のギャラリーWESTにて、2025年4月26日から30日まで開催されます。この機会に、台湾デザインと兵庫の伝統工芸の造形美と技術の融合を体験してください。主催は神戸ファッション協会、企画には台湾デザイン研究院が携わっています。

両国の文化が交差する場として、未来のデザインに向けた貴重な機会となることでしょう。ぜひ足を運んでください。