ERPCが最上位プランの価格改定を発表
2023年10月、ERPCはSolana向け専有gRPCノードおよびShredstreamの最上位プラン「EPYCプラン」の価格を€980/月に改定しました。この改定は、ELSOUL LABO B.V.とValidators DAOとの共同研究開発の成果に基づいています。新たに確立された高効率かつ省電力なアーキテクチャにより、コストを抑えつつも同等の性能を維持できる構成が実現され、利用者にとって一層魅力的な選択肢が提供されています。
高効率構成の背景
ERPCでは、独自のハードウェアとソフトウェアにおける最適化を進めており、AMD EPYC環境でのメモリ使用効率を向上させました。この改良により、少ないリソースで同等の性能が得られるようになり、結果としてコスト削減に成功しています。電力消費や発熱の抑制にも取り組みつつ、トランザクション処理やリアルタイムストリームに必要な安定性も確保されています。
技術的改善点:通信構成の最適化
ERPCは、gRPCエンドポイントの課題を克服するために、Jito Block Engineとのネットワーク内リレー構成を採用しました。この新しい構成により、gRPCノードは最新のブロックデータを効率的に受信できるようになり、遅延を最小限に抑えることが可能になりました。すべての専有gRPCノードにおいて、この最適化が標準で適用されています。
専有Shredstream Metal EPYCの安定性
ShredstreamはUDP通信を使用することで超低レイテンシを実現していますが、瞬間的なスパイクが発生する際の安定性維持が課題でした。EPYC構成では多コアと多メモリチャンネル設計を活かし、スパイク時でも通信を安定させる最適化が行われています。これにより、リアルタイムでの負荷変動に対しても安定したパフォーマンスを保つことが可能になっています。
専有環境での運用利点
ERPCの全ての製品は専有構成であり、接続数制限や他ユーザーからの影響を受けないため、安定した環境の確保に成功しています。そのため、長時間に及ぶRPCやストリームの運用でも一貫したスループットと応答性能が維持されます。
ベアメタルサーバーとの連携
ERPCはSolanaエンドポイントを同一ネットワーク上に配置できる専有ベアメタルサーバーを持っており、これにより外部ネットワーク通信によるレイテンシのボトルネックを排除しています。ERPCのネットワークはSolana専用線ネットワーク「DoubleZero」に接続されており、これにより物理的距離や経路変動の影響を最小限に抑えた高速通信を実現しています。
新価格体系の内容
今回の価格改定により、Shredstream Metal EPYCと専有gRPCノードの両方が€980/月(税抜)という統一価格に設定されました。いずれのプランもERPCの最上位構成として、性能、安定性、レイテンシ全てにおいてプロフェッショナルユースを考慮した設計となっています。既存ユーザーも次回契約更新時から新価格が適用される予定です。
課題解決への取り組み
ERPCやValidators DAOは、RPC環境におけるトランザクション失敗やレイテンシ変動、小規模プロジェクトの高品質インフラアクセスの難しさなど、様々な課題に取り組んでいます。私たちは、オープンソース開発を支援するSolana NFTカードゲームプロジェクトEpics DAOの開発過程で直面した問題を解決するために、高性能な開発基盤を提供していく方針です。金融分野においてはミッションクリティカルなアプリケーションが多いため、遅延やエラーが直接的にユーザー体験に影響します。
私たちはSolanaエコシステム全体の開発の質を向上させるために、高品質なインフラを整備し続けます。ERPCやSLVは、その一環として位置づけられています。