静岡ブルーレヴズU18設立の背景と意義
静岡ブルーレヴズ株式会社は、リーグワン初の試みとして、2023年10月から高校生世代を対象としたユースチーム「静岡ブルーレヴズU18」をスタートさせる運びとなりました。このユースチームは、2026年4月に本格始動し、ラグビーの普及と選手育成に貢献することを目指しています。
少子化や働き方改革に伴う部活動の運営方針の変化により、静岡県内における高校ラグビー選手の数は急速に減少しています。過去10年間で競技者数は約100人減少し、ラグビー部を擁する高校も15校から6校にまで減少しました。このような状況において、静岡ブルーレヴズは次世代のプレーヤーが夢に挑戦できる環境を整えることが重要だと考え、ユースチームの設立に至りました。
ラグビーの未来を育む育成理念
静岡ブルーレヴズU18の育成理念は、「ラグビーを通じて、自立心や人間力を育むこと」です。チームは一人ひとりの可能性を尊重し、競技技術だけでなく人格も向上させる育成環境を提供します。具体的には、選手たちがそれぞれの高校で学びながらも、ラグビーを続けられる合同チームの仕組みを設け、「花園」を目指す大きな舞台を提供します。
設立にあたり、静岡県高体連や静岡県ラグビー協会との連携も強化し、チームの活動を通じて高校ラグビーの未来を切り広げていく方針です。特に、入部した選手たちが部活動の枠に縛られることなく、他のスポーツからの転向も歓迎し、多様な才能を受け入れることが重要です。
指導体制と今後の展望
静岡ブルーレヴズU18は、田井中亮範氏を代表者に、監督に元日本代表の小池善行氏を迎えています。彼らが中心となって、トップチームのノウハウを活かした一貫した選手育成が行われ、コーチ陣も順次整備される予定です。
選手たちは、トップチームのコーチや選手からの直接的な指導を受けることができ、さらにはトレーニングやコンディショニング面でのサポートも行われます。これにより、若い選手たちは高いレベルの指導を受けながら成長し、将来的にトップチームに登壇する道を開かれるのです。
クラブの思いと期待
代表取締役社長の山谷拓志氏は、静岡ブルーレヴズU18の設立にあたり、ラグビーのチャンスが失われつつある今、ラグビーを続けたい選手に新たな選択肢を提供したいという意志を強調しました。ともすれば消えつつある高校ラグビーの灯を灯し直し、多くの選手がラグビーに触れ、楽しむことができる場を作り続けることがクラブの使命でもあります。
このユースチームは単なる育成の場ではなく、選手たちが自分自身で夢や目標に向かってチャレンジする過程を支え合う「家族」のような存在でありたいと願っています。静岡のラグビーが再び活気を取り戻すきっかけとして、静岡ブルーレヴズU18の設立が果たす役割は大きいと言えるでしょう。
今後の活動が楽しみであり、静岡県から未来のラグビー選手たちが次々と巣立つことを期待してやみません。