三井ホームが戸田市で新しい木造3階建の事務所と倉庫を完成
三井ホーム株式会社は、埼玉県戸田市にて、株式会社進学研究会が利用する木造3階建ての事務所・倉庫を竣工したことを発表しました。この施設は、主に高校受験向けの模擬テストに関連する業務を行うためのもので、印刷や発送、デジタル化、採点など、多岐にわたる機能を持っています。
環境と健康に配慮した設計
この施設の大きな特徴は、木造であることに加え、省エネ性能を高めた設計がなされている点です。具体的には、ZEBReadyという認定を取得しており、断熱性能が高いため冷暖房の効率が良く、エネルギー消費量を50%以上削減しています。このような省エネ性能は、国が設定した基準よりも遥かに優れており、今後のゾーンなどの分野における普及が期待されます。
さらに、施設内の床は木製で、スタッフに優しい設計が施されています。転倒リスクを軽減し、快適な作業環境を提供するために、木が持つクッション性を活かした設計が重要な役割を果たしています。実際に、3階の一部には「RE...ROOM」として知られるリフレクションスペースが設けられており、スタッフが働く中でリフレッシュできる空間が用意されています。
経済面にも配慮
木造建築は、鉄骨造と比較して軽量であるため、基礎工事の際にかかるコストを抑えることが可能です。この施設では、地盤改良を行うことでコスト削減を実現しています。これにより、経済的な側面でも優れた選択となっています。
環境に優しい木材利用の評価
また、本施設は木材を使用することで大気中のCO2を固定化し、環境にも配慮した設計となっています。この取り組みが評価され、国土交通省の優良木造建築物等整備推進事業に採択されるなど、その意義と効果が一定の認知を得ています。具体的には、273㎥の木材を使用し、187トンのCO2を貯蔵することができ、この数字は50年生の杉に換算すると約370本に相当します。
大空間の実現
当社は木造でも広い空間を確保できる技術を有しており、この施設でも1階は高天井の3.2メートルを実現しています。また、耐力壁の設計により、2階には大人数が集まれる会議室を配置。この会議室は幅8.1メートル、奥行き12.8メートルというスペースとなっており、最大100人を収容可能です。これにより、企業のさまざまなニーズにも対応できる設計となっています。
進学研究会の視点
株式会社進学研究会の代表取締役社長、山田英寿氏は、今回の新施設が企業として100年続くためのチャレンジ精神を表していると語っています。業務の内製化を進め、最新技術を取り入れた拠点を目指すため、この木造建物の選択が企業の未来を支えると期待しています。彼はさらに、土地の有効活用の観点から木造建築を選んだことが大きな意義を持っていると強調し、温かみのある環境を通じてスタッフの働きやすさを向上させることに注力しています。
このように、三井ホームが手掛けた戸田オペレーションセンターは、環境への配慮だけでなく、スタッフの健康や経済性を考慮した優れた設計が施されています。今後も持続可能な建築の在り方が注目される中、これらの取り組みが他の事業者でも広まることが期待されます。