デリア・フィッシャーとヒカルド・バセラールの新作アルバム『Andar com Gil』
ブラジル音楽界の巨星、ジルベルト・ジルの楽曲をカバーしたトリビュートアルバム『Andar com Gil(アンダール・コン・ジル)』が、デリア・フィッシャーとヒカルド・バセラールの手によって誕生しました。本アルバムは1月27日から、Jasmin Musicレーベルより各ストリーミングプラットフォームで配信されます。タイトルの「Andar com Gil」は、「ジルと共に歩む」という意味が込められています。
アルバムの特徴
本作は、ジルベルト・ジルの作品から、精神や心をテーマにした楽曲を厳選してカバーされています。アコースティックなアプローチで、ピアノとヴォーカルが中心の構成となっており、聴く人の心に深く響く作品です。特に「Prece(プレシ)」では、ジルベルト・ジル本人がシンガーとして特別参加しており、彼の80歳の節目に制作されたこのアルバムは感慨深いものとなっています。
配信開始日には、ジルベルト・ジルが参加したレコーディングの舞台裏を収めたビデオクリップがYouTubeで公開予定です。アルバムに収録の一環として、デリアとヒカルドが共同で作業を進めた様子も楽しめそうです。
共同制作の意義
デリア・フィッシャーとヒカルド・バセラールは、これまでも度々コラボレーションを行ってきましたが、今回は二人でアルバムを一から作り上げることを目標にしました。バセラール曰く、「ジルベルト・ジルの作品を通して、彼の繊細で詩的な面を強調し、精神性の高い楽曲に焦点をあてたことに満足しています。」と振り返ります。
デリアはさらに「このアルバムは、スタジオでの濃厚なセッションから生まれました。特に、ヴォーカルとピアノを同時に録音したことで、楽曲が持つ感情や親密さを際立たせることができました。」と語り、二人での演奏様式が新たな試みであったことを強調しました。
収録曲の豊かさ
アルバムには、ジルベルト・ジルの名曲「A Paz」、「Oriente」、「Aqui e agora」など、多岐にわたる楽曲が収められています。これらの楽曲は、ピアノを中心にした新たなアレンジで再構築されており、デリアとヒカルドのパフォーマンスが融合した魅力的な仕上がりです。特に「Prece」では、チェロのジャキス・モレレンバウムが参加し、独特の音色が加わっています。
ジルベルト・ジルは、音楽家としての名声だけでなく、詩的才能や精神性をも併せ持っています。彼との共演は、デリアとヒカルドにとって特別な意味を持っており、「私たち3人は内省的なムードに包まれ、「ジルベルト・ジルはこのアルバムのタイトルや選曲がとても気に入ってくれた。」と述べています。
ブラジル音楽界の象徴
ジルベルト・ジルは、ブラジル音楽界で非常に高い評価を受けており、グラミー賞やラテン・グラミー賞を受賞している他、2021年にはブラジル文学アカデミーの名誉永久会員にも選ばれました。彼の音楽は、国境を超えて多くの人々に影響を与えており、その豊かな表現力は今なお多くのファンを魅了しています。
まとめ
デリア・フィッシャーとヒカルド・バセラールの共同プロジェクト『Andar com Gil』は、ジルベルト・ジルへの深いオマージュとなっています。このアルバムを通じて、二人はブラジル音楽の真髄に新たな光を当て、リスナーに心温まる体験を提供すると共に、ジルベルト・ジルの功績を改めて称賛する作品に仕上がっています。アルバムの詳細や試聴リンクは
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