AIによるクリニック評価の新たな実態
最近、AI技術が急速に進化しており、特にChatGPTのような生成AIが、私たちの生活に影響を及ぼす場面が増えてきました。クリニックを訪ねようとする際、患者はAIに情報を尋ねることも多くなりました。今回、株式会社Mayuiが実施した「クリニックAI可視性調査」の結果から、AIにおけるクリニックの評価や見え方に関する実態が明らかとなりました。
調査の概要
本調査では、一般ユーザーが使用するブラウザ版ChatGPTを使用し、19の診療科と6つの都市、さらに6種類の質問形式を組み合わせた546パターンの質問を作成し、合計5,460件の回答を取得しました。これにより、AIがクリニックについてどのように回答するかを分析しました。
ホームページだけでは足りない
調査結果から得られた最も重要なポイントは、クリニックのホームページを適切に整備するだけでは、AIのプラットフォーム上での見え方を完全に把握することはできないということです。AIの回答には、公式サイトだけでなく、口コミサイトや比較サイトからの引用が含まれています。
具体的には、料金に関する質問に対しては、96%の回答がクリニックの公式サイトを引用していましたが、評判に関する質問ではこの割合が31%に低下しました。つまり、患者がどのような情報を求めるかによって、AIが引用する情報元が異なることがわかります。
地図と医院名の重要性
また、興味深いことに、5,460件の回答の99%には地図と医院名が表示されることが確認されました。この地図情報は、Googleビジネスプロフィールをもとに表示されており、AI検索においてクリニックがどれほど目立っているかを知る上での重要な要素となります。患者がクリニックを選ぶ際、実際に表示される地図情報にアクセスできることは非常に重要です。
引用と地図情報
この調査では、2つの情報、「引用」と「地図に表示される医院名」の違いに注目しました。
引用: 外部ページへのリンクで、公式サイトや比較サイト、口コミサイトが含まれる
地図と医院名: Googleビジネスプロフィールを基に表示される情報
これらは異なるものであり、ただ一つの情報を確認するだけでは、自院のAI上での可視性を完全に掴むことはできません。
診療科によるバリエーション
調査の結果、各診療科によってAIにおける見え方や引用の割合は異なることも明らかになりました。たとえば、歯科の一般保険では、AIが引用を示さずに地図上の医院名だけで回答を構成する割合は7.9%でしたが、産婦人科では0%という結果も出ました。これにより、自院の診療科特有の情報収集と施策が必要です。
競争状況の理解
さらに、AIにおける情報競争も見えてきました。分析した108パターンの診療科×エリアにおいて、47%の組み合わせで最も引用されたサイトと2番目に多く引用されたサイトの差が10ポイント未満でした。これは、特定の情報源がまだ競り合っている状態であることを示しており、AIによる検索結果は今後も変動する可能性があることを意味します。
まとめと今後の方針
これらの調査から得た知見をもとに、クリニックが今後取り組むべきポイントは以下の通りです:
1. 公式サイトの情報整理を行う。
2. 競合との比較だけでなく、第三者による評価も確認する。
3. Googleビジネスプロフィールの情報を見直す。
4. 診療科毎に優先順位を検討する。
5. 検索関連施策だけでなく、AI上での引用状況を確認する。
最終的には、クリニックの見え方を把握し、今後の施策に活かすことが、AI検索において重要なカギとなるでしょう。今やAIは、クリニック選びにおける影響力のある存在です。自院がAIにどのように見られているかを把握し、対応を検討することが成功のヒントとなります。