近年、海洋ごみの増加が深刻な問題となっています。そんな中、2020年に発足した「NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル」は、“海洋ごみゼロの社会”を掲げ、環境問題に取り組む新たな団体として注目を集めています。代表がJICA海外協力隊で培った知見をもとに、海洋ごみの回収方法を革新し、困難な地域でも効率的にごみを回収する仕組みを目指しています。
この団体の活動は、単なるビーチクリーンにとどまらず、科学的なアプローチによって海洋ごみの流れや溜まり方を研究し、特にごみがたまりやすいポイントを特定したことから始まりました。ビーチクリーン活動を通じて、この問題の核心を理解した代表は、海洋ごみが集まりやすい場所とそうでない場所に明確な違いが存在することに気づきました。その結果、独自の回収装置の開発に着手し、海洋ごみの削減を図るための道を切り開くことに決めたのです。
最初に開発された海洋ごみ回収装置の一号機は、全長5メートルでしたが、実際の運用においては、範囲が狭く、回収ポケットがないことから成功を収めることができませんでした。しかし、これを教訓として改良を重ね、二号機(全長20メートル)を投入。この二号機には中心に回収ポケットが組み込まれ、潮流や波の力を利用してごみをより効率的に集める仕組みが施されました。
実証実験は20日間行われましたが、二号機で回収できた海洋ごみはなんと0.02キログラム。これは、洋上での回収作業がどれほど難しいかを物語っています。代表はこの経験を踏まえ、共同体の形成を目指し、万人が参加できる環境活動を推進する必要があると感じています。大学や企業との連携を通じて、流体力学やAIの知見を活かした調査スキームを設計。これにより、より多くの専門家を巻き込み、多角的なアプローチで海洋ごみ問題に立ち向かう枠組みが手に入れようとしています。
三号機は全長30メートルの設計で、回収効率をさらに向上させるために、湾曲した形状を採用し、海洋ごみを回収ポケットに効率良く誘導する設計となっています。このように、クリーンオーシャンアンサンブルの取り組みは進化を続けており、最新の技術やデータを駆使しながら、海洋ごみの回収方法を確立させるために日々努力しています。
現在、同団体では寄付や協賛のキャンペーンを開催しており、企業や一般の方々に賛同を呼びかけています。回収装置の開発を助けるための資金調達や、ビーチクリーンの際に企業ロゴを横断幕で掲示することで、環境保護意識を広めることを目指しています。海洋ごみゼロの社会を実現するために、皆様の温かなご支援が必要です。私たちの活動に賛同していただける方からの参加を心よりお待ちしております。
組織概要
- - 名称:NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル
- - 設立:2020年12月10日
- - 代表理事:江川 裕基
- - 住所:東京都千代田区平河町1-6-15USビル8F
- - 主な活動エリア:香川県小豆島
- - 公式サイト:クリーンオーシャンアンサンブル