運輸業界は今、変革の時を迎えています。特に、効率的な物流の実現が求められており、そこで注目を集めているのが、8月1日からサービスを開始した「traevo noWa」です。このサービスは、荷主や運輸事業者に向けて共同輸送のための相手を探し出すためのプラットフォームとして開発されました。
「traevo noWa」を運営するのは、議員による運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)と株式会社traevoの提携です。これらの企業は運輸業界の課題を解決し、持続可能な物流を実現するために様々なテーマで活動を続けています。特に、共催したワーキンググループWG05Aのもとで、50社以上の企業が協力し、共同輸送データベースの構築を進めてきた結果、traevo Platformが完成しました。
このプラットフォームは、運輸事業者とデバイスメーカーを結ぶ車両動態情報を有効活用するものです。特に、2022年に設立されたtraevo社は、このプラットフォームを通じて、物流の効率化に貢献しています。特に、2024年問題として知られるトラック輸送の需給逼迫に対応すべく、積載効率の向上が求められる中、共同輸送はその対応策として期待されています。
ただ、共同輸送を実現するには相手を見つけるのに非常に手間がかかるという課題があります。そこで、traevo noWaはこの課題を解決するために、中長期的な共同輸送相手を簡単に検索できるユニバーサルシステムを導入しました。これにより、運輸業者は自社に合った条件で、匿名性を保ちながら共同輸送相手を見つけることが可能です。
具体的な手順は、まずExcelを用いて自社の輸送データを登録します。その後、希望条件を設定して共同輸送相手の検索を行い、相手とのコミュニケーションを通じて合意に至れば、さらに詳細な条件に関する協議を行います。このプロセスは非常にシンプルで、ITに詳しくない方でも容易に利用できるよう設計されています。実証期間中には、参加する企業の積載効率や燃費、CO2排出量が30%から40%改善されている実績もあります。
また、traevo noWaは、日本ロジスティクスシステム協会が主催する2025年度ロジスティクス大賞を受賞しました。この受賞は、運輸業界の持続可能な改革に向けた優れた実績をもとにしていることを示しています。サービスは現在、トライアル期間中として2025年12月末まで無償で利用可能であり、また、TDBC会員やtraevoユーザーに対しては継続して無償でのサービス利用を提供します。
このように、「traevo noWa」は荷主や運送業者だけでなく、今後はより多くの企業に参加を呼びかけており、共同輸送の効率化とカーボンニュートラルの実現に向けた一手として期待されています。運輸業界の未来を変えるこのサービスの利用が、業界全体に新たな風をもたらすことでしょう。