バスク料理の魅力を再発見
美食で知られるスペインのバスク地方、特にサン・セバスティアン市は、料理好きや食通にとって憧れの地とされています。ここでは、3つ星レストランが多く拠点を構え、バルでは手軽に楽しめるピンチョスがたくさん並びます。様々な食材をシンプルに調理するバスク料理は、実は日本人の味覚にもよく合います。
この度、株式会社世界文化社から出版された『バスク料理入門』は、著者である中武亮シェフが手掛けた、日本でも気軽に作れるバスク料理のレシピ集です。本書は、ピンチョスをはじめ、煮込み料理や焼き物、デザートまで、幅広いバスク料理を網羅しています。
料理の奥深さを感じるバスクレシピ
本書の内容は、日本の家庭でも手に入りやすい食材を使っているため、特に便利です。例えば、ピンチョスの章では「ヒルダ」という一品を紹介。これは、緑のオリーブ、アンチョビ、ギンディージャ(青唐辛子の酢漬け)を串刺しにしたもので、サン・セバスティアンのバルで生まれたご当地料理の元祖とも言えます。中武シェフは、バスク地方への愛を込めて、様々な料理を紹介しています。
章ごとの魅力
本書は4つの章に分かれています。第一章は「ピンチョス」、第二章は「ギソ&アロス」(煮込み&米料理)、第三章「アサード」(焼き料理)、最後の第四章は「ドゥルセ」(デザート)です。
- - ピンチョス: 「カルメリータ」と呼ばれる名物も紹介されており、旧市街の人気バルのメニューに選ばれた逸品です。カリッとしたバゲットに厚切りのゆで卵や海老を載せた絶妙なバランスの料理です。
- - ギソ&アロス: あさりの炊き込みご飯や鶏ときのこの炊き込みご飯も登場。日本の家庭でも作りやすく、親しみやすい味わいです。
- - アサード: 骨つき仔羊ロース肉のソテーなど、シンプルながら豪華な料理が揃っています。
- - ドゥルセ: バスクチーズタルトは特に罪深いスイーツとして、近年日本でも大人気を博しています。
中武シェフの情熱
著者・中武亮シェフは、大阪の辻学園調理技術専門学校を卒業後、函館の「レストラン バスク」で修行。さらに、スペイン政府のシェフ養成プログラムでサン・セバスティアンにて3年間研鑽を重ねました。帰国後は三重県で料理長を務め、美食を通じた友好を深める活動を行っています。
最後に
本書『バスク料理入門』は、サン・セバスティアンから日本にバスク料理を届ける架け橋となる一冊です。家庭で手軽に本場のバスク料理を楽しむためのレシピが詰まっています。ぜひ、新しい食の冒険を始めましょう!
書籍情報
- - タイトル: バスク料理入門
- - 発売日: 2025年10月30日
- - 定価: 2,750円(税込)
- - 仕様: B5変型判 / 160ページ
- - 発行: 株式会社世界文化社
この本を手に取り、家族や友人と一緒にバスクの味を楽しんでみてはいかがでしょうか?