42 Tokyoが新たに提供する企業向けエンジニア研修「Piscine Pro」
一般社団法人42 Tokyoは、企業向けエンジニア育成研修プログラム「Piscine Pro」を発表しました。このプログラムは、大手企業であるビズリーチと連携し、実際のニーズに応じたプログラミング教育を提供します。研修プログラムは、通常のカリキュラムに基づいたユニークな学習スタイルを特徴としており、参加者の満足度は非常に高い結果が得られています。
取り組みの背景
42 Tokyoは、フランスに本校を持つエンジニア養成機関で、学費が無料という特異な形態を採っています。入学試験である「Piscine」では、4週間にわたって受験生がコーディングの基礎課題に挑むことが求められ、世界中で同様のカリキュラムが実施されています。今回の新プログラムでは、この試験を基にしたカスタマイズが行われており、企業の要求に応じた技術者の育成を目指しています。
「Piscine」の学習スタイルである「ピアラーニング」と「課題解決型学習」を取り入れており、受講者同士が教え合うことが推奨されています。これは、プログラミングスキルの向上だけでなく、課題解決力、コミュニケーション能力、自律性といったソフトスキルの育成にも寄与します。企業が求める人物像に対して非常にマッチした内容となっています。
Piscine Proの概要
「Piscine Pro」では、C言語やコンピューターサイエンスに関する課題が与えられ、受講者がそれを自主的に学ぶ構成になっています。教材や講義がないため、受講者は各自のペースで学びを進めることができます。特に、プログラミング未経験者でも興味がある方は、自分の限界に挑戦しながら学ぶことが可能です。
製品開発や問題解決に必要なソフトスキルも育成されるため、企業はより自律的で協力的な人材を得ることができるでしょう。AIが普及し、エンジニアの求められるスキルが変化している現代において、プログラミング能力と同様にソフトスキルの育成が重要視されています。
実施レポート
2025年5月から6月にかけて、ビズリーチの新卒プロダクト職を対象に「Piscine Pro」が実施されました。受講者は、C言語やコンピューターサイエンスに関する実践的な問題に挑戦し、毎日の振り返りを通じて、学んだ内容を実務にどう活かすかを探求しました。受講者同士の協力もあり、異なる技術レベルの人々がともに成長していく姿が見られました。
参加者の声
参加者たちは、プログラミング以外に学び合うことの楽しさや、実際の課題を解決する中での成長を実感しています。「自分から行動しなければ進まない」環境が、コミュニケーション能力や自信を高めたという声も多く聞かれました。
ビズリーチの執行役員、萩原 崇氏は、この取り組みを通し、「課題にどう向き合うか」の重要性を強く感じていると述べています。これにより、会社の求める人材像とも合致し、各メンバーの特性を理解する機会となったそうです。
今後の展望
このような取り組みを通じて、42 Tokyoはさらなる成長を目指しています。幅広い業種において信頼できるエンジニアの育成を進め、質の高い人材を企業に送り出すことが狙いです。プログラミング教育という視点からも、ソフトスキルを育成することは今後の産業に不可欠です。企業との連携を強化しながら、42 Tokyoはこれからのエンジニアリング教育の在り方を探求していきます。