スパイダープラスが明らかにした建設業界の現状
スパイダープラス株式会社は、建設業における働き方改革関連法が適用された2024年4月以降、従事者の意識を調査し、その結果をレポートとしてまとめました。このレポートは2024年の4月、10月、そして2025年の4月という3つの時点で実施されたもので、全国の建設業従事者2,500名を対象に行われました。
主な調査の目的は、働き方改革関連法施行後、建設業に従事する人々が仕事に対して抱く課題や残業時間の実情、さらには女性や転職者の働きやすさについて明らかにすることです。調査の結果、働きやすさには向上の兆しが見られたものの、まだ残業時間に関しては課題が残ることが明らかとなりました。
働きやすさの進展と課題の浮き彫り
2024年4月以降、建設業従事者の「働きやすい」と感じる割合は増加傾向にあり、特に2025年4月までの1年間で9.0ポイントの増加が見られました。具体的には、従業員が感じる環境的要因として「デジタルツールの導入」が挙げられていますが、これは10月度から減少傾向にある一方で、トイレや休憩室の男女分けなどが増加傾向です。これにより、従事者の間に「処遇の改善」への関心が増していることが伺えます。
建設業界は現在、他業種からの転職が増加しています。厚生労働省のデータによると、有効求人倍率が5.20倍に達するなど、高い就業機会が存在しています。調査対象者の中で特に「良い待遇」が転職理由として最多を占める結果となり、その割合は前年に比べて5.3ポイントも増加しています。この背景には建設業界が直面する人手不足があると考えられます。
残業時間の現状と改善の余地
興味深いことに、2024年中に毎月45時間以上の残業をしていた従事者は31.4%に達しています。つまり、残業時間対策にはまだ多くの課題が残っていることが示されており、この点についての見直しが求められます。法改正後の調査結果にも関わらず、残業時間が依然として長い従事者が一定数存在することから、残業に関する新たな対策が不可欠です。
女性の働きやすさと今後の期待
女性従業員にとっては、働きやすさの向上が特に重要なテーマです。調査対象2,500名の中で女性従事者は33.3%、その中で68.1%が「働きやすい」と感じていることがわかりました。特に急な休みに対応できる柔軟な制度が多くの支持を得ており、今後、これらの制度がより整備されることで、女性の働く環境がさらに改善されることが期待されます。建設分野における女性比率も増加を続けており、その背景には技術者としての役割や業界の変化があります。
まとめ
今回の調査は、働き方改革関連法が建設業界に与えた影響を定量的かつ定性的に分析するもので、建設業のあり方が今後どのように変わっていくのかを探るための貴重なデータを提供しました。スパイダープラスでは、この調査を基にさらなる情報発信を行い、業界の健全な成長に貢献していく所存です。レポートの詳細は、オウンドメディア「SpiderClass」にて公開しており、ぜひご覧ください。
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