企業のサステナビリティを支える新たなオフィス家具開発の挑戦
近年、環境問題が重要視される中で、企業はサステナブルな取り組みを強化することが求められています。そんな中、コクヨ株式会社とChopValue Manufacturing Japan株式会社が提携し、使用済みの割り箸をリサイクルしたオフィス家具の開発を開始しました。本記事では、両社の取り組みやその背景、さらなる展望について紹介します。
1. 背景と取り組みの概要
コクヨは、2030年までに循環型商品の売上高80%以上達成を目指しており、今回のプロジェクトはその一環です。ChopValue Japanは、カナダ企業の日本法人として、使用済み割り箸をリサイクルして家具や内装材を製造する循環型ビジネスモデルを推進しています。特に川崎市に新設される工場では、日本国内で発生する大量の使用済み割り箸を高品質な内装材に変え、オフィス市場に適した商品を製造していきます。
2. オフィス家具の具体的な開発内容
両社は今年4月から、使用済み割り箸を利用した内装材を使ったオフィス家具の開発に着手しました。まず、第1弾として、使用済み割り箸から作成した内装材を利用してテーブルの試作品を制作しました。このテーブルは、幅1600mm、奥行800mm、直径760mmの天板が特徴です。この試作品を通じて、機能や品質、製造方法などの検証を行い、自然由来の素材を用いた魅力ある商品作りを目指します。
3. 実証実験と環境意識の啓発
さらに、コクヨの東京品川オフィス「THE CAMPUS」では、使用済み割り箸の測定を行っています。この実験では、1日あたり約260本の使用済み割り箸が破棄されることが確認され、30日間で天板1枚分に相当する量が集まることがわかりました。このような取り組みを通じて、社員に対して環境意識の重要性を理解させ、行動の変容を促すことを目指しています。
4. 循環型経済への貢献
今後、コクヨとChopValue Japanは、オフィスから排出された資源を再利用してサーキュラーエコノミー(循環型経済)の具現化を進めます。ChopValue Japanでは、廃棄物を環境負荷の少ない新素材に変えていくことを重視し、接着剤も環境に配慮したものを使用する方針です。このサステナブルな開発は、今後の製品ライフサイクル全体での環境負荷低減を実現していくでしょう。
5. 将来の展望とサステナブルな製品の開発
コクヨは、今回の割り箸のリサイクルに限らず、他の廃材を使用した新しい素材の開発も視野に入れています。さらなる環境性能と実用性を兼ね備えた環境配慮型商品ラインの拡充を進めることで、持続可能な未来への貢献度を高めていく考えです。この取り組みは企業にとっても、環境負荷を抑えたビジネスモデルとしての重要なステップとなるでしょう。
以上のように、コクヨとChopValue Japanの共同開発は、使用済み割り箸を有効利用することで、環境への負担を軽減し、よりサステナブルな未来を築く一助となることが期待されます。今後の動向に目が離せません!
参考文献
※この記事の内容は発表日現在の情報に基づいています。今後変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。