BABY JOBが審査員特別賞を受賞
2025年7月31日、日経クロストレンドのBtoBマーケティング大賞において、BABY JOB株式会社の「おむつ持ち帰り文化見直しを促す広報戦略」が審査員特別賞を受賞しました。大阪市に拠点を置くBABY JOBは、保育施設向けの紙おむつとおしりふきのサブスクリプションサービス「手ぶら登園」や、保育施設探しサイト「えんさがそっ♪」など、子育て支援に特化した様々な事業を展開しています。
優れたPR戦略と社会貢献
受賞理由に挙げられるのは、保育現場での「おむつの持ち帰り」の問題を解決したことです。この慣習は保護者や保育士にとって大きな負担であり、BABY JOB自身のサービスへの導入障壁ともなっていました。しかし、同社はこの社会課題に対して、巧みなPR戦略を展開し、行政に影響を与えたことで、環境を自社に有利な形に変革しました。
特に、厚生労働省からは園内処分を推奨する通達が発表され、持ち帰りを実施する自治体は約40%から約8%に減少しました。これは、自社のサブスクリプションサービスの導入施設数が3年で8倍に増加した成果にもつながっています。
社会的価値とマーケティングの融合
Nexalの上島千鶴氏は、「自社の成長を妨げていた社会的な慣習に対して、課題解決を通じて市場を創造していくモデルは非常に模範的」と評価を寄せています。また、Breatheコンサルタントの田中滋子氏は、地域間の格差を明らかにし、使用済みおむつの持ち帰り問題にスポットを当てた点を高く評価しました。
これらの取り組みは、子育て世代と保育施設の間に「Win-Win」の仕組みを構築し、両者にとってのメリットを生み出しています。おむつのサブスクリプションサービスは単なる利便性の提供ではなく、社会的課題の解決を目的にしたマーケティング活動としても機能しています。
BtoBマーケティング大賞とは
日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞は、株式会社日経BPが主催するもので、国内の優れた企業事例を広く共有し、BtoBマーケティング分野の発展を目指しています。今年で第2回の開催となります。
持ち帰り問題に取り組むBABY JOBの活動
BABY JOBは、「保育園からおむつの持ち帰りをなくす会」を立ち上げ、使用済みおむつの持ち帰りに対する地域間の違いを可視化し、行政への提言を行っています。これまでに16,000人以上の署名を集め、2022年には厚生労働大臣へ要望書を提出しました。 さらに、「手ぶら登園」サービスでは、保護者の手間を大幅に省くことができ、現在8,400を超える保育施設で導入されています。
今後の展開
BABY JOBの革新的解決策は、子育て支援の新しいスタンダードを生み出す可能性を秘めています。このように、マーケティングが社会課題を解決する手段となりうる例は少なくありません。今後の展開に期待が高まります。