日本IBMの河津宏美、技術貢献賞を受賞
2023年10月、米国ミシガン州デトロイトで開催されたWomen of Color STEM Conferenceにおいて、日本IBMのシニア・データサイエンティスト、河津宏美が「Outstanding Technical Contribution Award」を受賞しました。この賞は、STEM分野において卓越した業績をもたらし、社会にポジティブな影響を与えた技術者やビジネスリーダーに贈られるものです。
河津は、1987年に日本IBMに入社し、ストレージのバックエンドサポートからキャリアをスタートしました。その後、彼女は様々な役割をこなしながらデータサイエンスの分野で経験を積んでいきます。特に2014年からはケニアの医療事情改善のためのコンサルティングとデータ分析にボランティアとして参加し、2015年にはソフトウェアサービス部門に異動し、データサイエンスサービスのデリバリーに従事しました。
特筆すべきは、彼女が2023年にデータサイエンスサービス部門のマネージャーに就任し、ヘルスケア領域での業務効率化を目的としたプロジェクトに貢献している点です。AI倫理委員会の主要メンバーとしても活動しており、AI技術に関するガバナンス体制を整える取り組みをしています。これにより、企業におけるAI活用が進む中、透明性や公平性を重視したリスク評価フレームワークの開発を推進し、実践に移すことにも注力しています。
受賞の理由には、AIの利用がもたらすリスクを正当に評価し、安全で公正な技術の進化を促進するためのガードレールを設置する努力が挙げられています。これはAIS中のブレーキをかけるのではなく、むしろその正しい活用を進めるための重要なステップとして認識されているのです。また、2023年12月に共著で発表予定の『AIリスク教本』が、企業間でのAIリスクの認識と緩和に寄与する点も高く評価されています。
受賞式の模様は、YouTubeで配信されており、河津のトークは時間の2時21分14秒からご覧いただけます。彼女の業績の詳細は『2024 Women of Color|CONFERENCE - VOL. 24, NO. 2』にも掲載されています。
河津の努力は、STEM分野におけるマイノリティーの地位向上とAI技術の倫理的な活用を促進し、将来的な社会に対する強い影響力を与えることが期待されています。これからの彼女の活動に大いに注目が集まります。