板橋区が取り組む「ケアリーバー応援プロジェクト」
板橋区は、児童養護施設や里親のもとで育った「ケアリーバー」と呼ばれる若者たちの自立を支援するため、令和7年度版「ケアリーバー応援プロジェクト」を新たにスタートしました。このプロジェクトでは、ふるさと納税型のクラウドファンディングを通じ、10月16日から寄付金を募っています。
ケアリーバーの現状
「ケアリーバー」とは、家庭の事情や保護者の不在、虐待の経験を持つ子どもたちのことを指します。児童福祉法に基づき、児童養護施設に入所することができますが、多くは18歳でその措置が解除され、自立を求められます。この時期、彼らには頼れる大人が少なく、生活を維持するために精一杯の状態になりがちです。このため、大学進学や学業を続けることが非常に困難な状況が発生しています。
支援活動の展開
板橋区では令和元年度からケアリーバーの生活支援に取り組み、都内の児童養護施設の自立支援担当職員と協力しながら、彼らのニーズを把握し、さまざまな支援を実施しています。令和6年度には、「ケアリーバー応援プロジェクト」から集まった寄付金が活用され、合計で6,737,327円が寄付され、55名のケアリーバーに支援を提供しました。
令和7年度に向けた支援内容
令和7年度の寄付金は、ひとり暮らしの準備費用や家賃、医療費などの経済的支援に加え、LINEやメールで相談ができる「なんでも相談支援」や、同じ経験を持つ若者が集まる「ユースサロン」の開催など、経済的かつ精神的に寄り添った支援事業に活用される予定です。これらの支援を通じて、ケアリーバーがより良い未来を築けるようサポートしていきます。
寄付の詳細
今回の支援プロジェクトでは、2025年10月16日から2026年1月13日までの90日間にわたって寄付を受け付けます。ふるさとチョイスGCFサイトやさとふるのクラウドファンディングサイトからの寄付はもちろん、板橋区役所北館の窓口での受付も行います。目標金額は2000万円で、達成後も受付は継続されます。
寄付を行った方には、返礼品も用意されており、特に区外在住者には特典があります。これらの資金でケアリーバーの支援がさらに充実していくことを期待しています。
支援者からのメッセージ
支援を受けたケアリーバーからは、感謝の声が寄せられています。「周りの同年代の子たちより背負うものが多く、時には感情を閉ざしてしまうこともありますが、板橋区には温かい居場所がある」と述べた20代の女性。彼女は、信頼できる大人と出会うことで少しずつ人とつながり、感情を共有する喜びを感じていると言います。また、20代男性も「多くの人とつながることで孤独を感じることが少なくなった」と感謝の気持ちを表しています。
まとめ
この「ケアリーバー応援プロジェクト」を通じて、板橋区は未来を担うケアリーバーたちの自立を支援するだけでなく、地域の温かさとつながりの大切さを再認識させてくれる取り組みです。寄付を通じて、彼らの未来を明るく照らす一助となることを期待しています。