三井倉庫ロジスティクスとT2が実施する自動運転トラックによる混載輸送の新展開

自動運転トラックによる混載輸送の革新

2025年9月29日、三井倉庫ロジスティクス株式会社と株式会社T2が国内で初めて自動運転トラックを用いた混載輸送の実証実験をスタートします。この取り組みは、物流業界で現在深刻化しているトラックドライバー不足に対抗するための重要な一歩です。両社は、T2が開発するレベル4自動運転トラックを視野に入れた共同プロジェクトを進めており、クロスドックシステムと自動運転技術を組み合わせることにより、効率的な物流オペレーションを目指します。

トラックドライバー不足が物流業界の課題に

日本の物流業界は、2024年問題とも呼ばれるトラックドライバー不足に直面しています。この問題は、高齢化や労働環境の厳しさから来るもので、今後の物流の安定性に影響を及ぼすことが懸念されています。これに対処するため、三井倉庫ロジスティクスは2023年からT2との資本提携を進め、実証実験を重ねることで協力関係を築いてきました。

クロスドックと自動運転トラックの融合

実証実験では、三井倉庫ロジスティクスの「座間物流センター」（神奈川県）および「彩都あかね物流センター」（大阪府）の両拠点を利用します。参加する荷主企業は計5社で、主に業務用冷凍・冷蔵庫やヘアケア商品など、様々な貨物が混載されます。このプロジェクトにより、自動運転トラックの稼働率と積載率を高め、クロスドック機能を活かして迅速な荷物の積み込みや移動を実現することが目指されています。

自動運転トラックの運用フロー

具体的には、座間物流センターから彩都あかね物流センター間の幹線輸送を行い、トラックが大阪に到着した際には次の貨物を即座に積み込む体制を整えます。これにより、スムーズな輸送と効率的な運航スケジュールを確保します。また、ディストリビューションセンター（DC）での在庫を活かした混載貨物調整や、ミルクラン方式による複数配送元への対応も検討されています。

未来に向けた持続可能な物流オペレーションの構築

この取り組みは、T2が目指すレベル4自動運転トラックによる幹線輸送の実現に向けた重要なステップです。ロジスティクスの未来を見据えた取り組みは、効率的な集配送オペレーションを目指すだけでなく、物流全体のデジタル化やAI活用にも寄与することが期待されています。自動運転技術を活用した新たな物流モデルが、業界全体に革新をもたらすことに注目です。

実証実験の詳細

この実証実験は、三井倉庫ロジスティクスが運営する物流センターのクロスドックオペレーション業務や荷主貨物の集配送業務を通じて、混載の調整と効率化の評価を行っていきます。両社の協力により、自動運転トラックによる輸送の有効性が検証され、今後の物流戦略における新たな方向性が示されるでしょう。これからの展開が非常に楽しみです。