職場でのギフトがエンゲージメント向上に与える影響
近年、企業の人事施策の中で「従業員エンゲージメント」が重要視されるようになっています。エンゲージメントとは、従業員が仕事や会社に対する愛着や熱意を持つことを指し、その向上が経営成果に直結することが多くの研究で示されています。そこで注目されているのが、職場でのギフトの役割です。
調査の概要と背景
株式会社マタビテクノロジーズが実施した「職場ギフトと従業員エンゲージメントに関する調査」では、575名の会社員を対象にアンケートが行われました。その結果、ギフトを受け取ったことのある職員は、受け取ったことのない職員に比べて、エンゲージメントに関する指標が約2倍高いことが明らかとなりました。
調査は、人的資本経営の観点から、ギフトが従業員の感謝や満足度にどう影響するのかを具体的に検証することを目的としています。最近、企業の文化の中で感謝の表現方法としてギフトの活用が広がる一方で、その効果が薄いのではないかという懸念も存在する中、こうした調査は非常に貴重です。
主な結果とその意義
ギフトを受け取った経験がある従業員(209名)とそれがない従業員(366名)の間でエンゲージメント指標を比較したところ、以下のような顕著な差が見られました:
- - 会社から大切にされていると感じる(55.0% vs 23.3%)
- - 仕事が適切に認められている(56.5% vs 22.7%)
- - 会社に誇りを感じる(52.2% vs 22.2%)
- - 求められている以上の役割を担いたい(52.6% vs 21.5%)
これらの結果から、ギフトは単なる物品ではなく、感謝や承認を具体的に感じさせる重要なツールであることが伺えます。行動経済学の観点からも、物理的なギフトが記憶に残りやすい、「リマインダー効果」があることが知られています。
ギフトを通じた職場環境の改善
調査対象となったギフト経験者の73.7%が、「言葉だけでの感謝よりも、ギフトを通じて感謝をより強く実感できた」と回答しました。これは、ギフトの持つ心理的な価値やコミュニケーションの強化において、重要な示唆を与えています。あなたの職場にも、このような文化が浸透しているでしょうか?
さらに、ギフト受取り経験者は、職場推奨度(NPS)が-34.0であるのに対し、未経験者は-66.1で、32.1ポイントの差がありました。特に、ギフト経験者の中で「推奨者」として分類される割合は、経験者が16.3%、未経験者がわずか6.3%であり、大きな差があります。
従業員のニーズとギフトの選び方
また、従業員がどのようなシーンでギフトを贈られたいかを尋ねた結果、「勤続周年」や「誕生日」といったイベントが上位にランクインしました。さらに、41.6%の回答者が「パーソナライズ」を希望していることも注目すべき点です。個別化されたギフトへのニーズが高まっていることは、企業にとって新たな課題として浮上しています。
おわりに
株式会社マタビテクノロジーズの代表取締役、植野 力氏は、「今回の調査結果が、人事施策や職場環境の改善に貢献することを期待しています」と述べています。今後、職場でのギフトがどのようにエンゲージメントを高めていくのか、その行方に注目です。
私たち一人一人が感謝の気持ちをどのように表現するかが、職場環境を大きく変えることに繋がるのです。ギフトの活用が、より良い働く環境を作り出す手助けとなるでしょう。