青山学院大学と漢検が目指すAI時代の言語力育成法とは

AI時代における言語能力育成の新たな挑戦

公益財団法人日本漢字能力検定協会と青山学院大学の総合プロジェクト研究所、学習科学青山研究所が連携し、AI技術を活用した新しい言語能力の育成環境の開発に取り組むことが決まりました。この共同研究は、急速に進化する情報通信技術の中で、特に大規模言語モデル（LLM）による生成AIの導入が教育現場に与える影響に注目しています。

共同研究の背景と目的

近年、生成AIの出現により、学習や教育の方法が大きく変わりつつあります。特に、学校教育における授業や評価の方法、さらには民間教育サービスの在り方まで見直す必要があるとされます。学習科学青山研究所が設立された目的は、一人ひとりの学ぶ力を最大限に引き出すための環境デザインにあります。
この度の共同研究では、特に「生成AIツールを活用した言語能力の育成と評価」に焦点を当て、実証的な研究を開始します。学生たちが自らの考えを他者に正確に伝えるための言語表現を磨く過程で、AIを活用し、彼ら自身の言語理解を深めることが狙いです。

研究の進捗と成果の公開予定

この共同研究は、実証実践校を対象に展開され、その効果検証が進められます。また、研究の途中経過や成果は、公式サイトを通じて公開される予定です。この取り組みは、教育界に新たな風を吹き込む可能性を秘めています。

研究を進める専門家たち

このプロジェクトを牽引するのは、青山学院大学の益川弘如教授です。彼は学習科学や認知科学を専門としており、個々の学ぶ力を引き出すための環境デザインに精力的に取り組んでいます。また、公益財団法人日本漢字能力検定協会の客員研究員、安井理紗さんも参加しており、漢字・日本語における教材開発に注力しています。彼女は、ドリル教材に代わる新しいアプローチの必要性を訴え、「ことばの運用場面」を通じた言語能力の評価方法を模索しています。

未来の学習環境の展望

この共同研究は、AIの導入によって、学生たちがより効率的に学ぶ手助けをすることを目指しています。AI技術を利用することで、言語表現の向上だけでなく、かつてないほどの発想力や創造力を育む学習環境を提供することが期待されています。「人はどこまで賢くなれるのか」という問いに対する答えを見つける旅が、今始まります。

今後の進捗や研究成果に注目し、多くの教育関係者や学生がこの新たなアプローチを利用できる日が来ることを願っています。