ストックラボの新たな取り組み
東京都新宿区に本社を構える株式会社ストックラボは、リユース事業のさらなる進化を目指し、クラウド基幹システム「ReCORE(リコア)」と自社開発のAI基盤を用いた革新的な取り組みをスタートしました。本記事では、その取り組みの概要と背景、その効果について詳しく見ていきましょう。
背景
リユース市場が拡大する中、SKUの多様化や店舗・出張・ECの複数チャネルにおける顧客接点が確立されてきました。しかし、これに伴い広告費が増加したり、人手の最適化だけでは限界が見えてきたことも否めません。特に以下のような課題が浮上しています。
- - 価格反映の遅れ: 市場相場や在庫、需要が変動する中で、価格が即座に反映されない。
- - 出品品質のバラツキ: 商品の出品においてタイトルや画像品質が一定でないため、返品やカゴ落ちが増加。
- - 応対履歴の分散: 過去の応対記録がまとまらず、改善学習が進まない。
これらの課題に対処するために、リコアとAIを連携させ、運用プロセスに自然に組み込むことにより、意思決定の速度と再現性を高めることを目指しています。
AIとの連携取り組み
ストックラボが実施する取り組みは、主に3つのレイヤーで構成されています。それぞれの領域において、AIがどのように導入され、運用されるのかを見ていきましょう。
1. Ops AI(在庫管理の自動化)
- - 需要予測と在庫引当: 短期間の需要を予測し、在庫の補充や移動、値下げの候補を自動で提示。
- - 出品支援: タイトルやタグなどの出品情報をAIが生成・校正し、出品スピードを向上させます。
- - 画像の自動チェック: 撮影された商品の画像について、不足や不鮮明なものを自動的に検知します。
2. Pricing AI(価格最適化)
- - 三点最適化: 市場相場、回転目標、粗利を考慮し、最適な価格を算出。
- - 需要期に応じた見直し: 需要の高い期間には、価格・在庫の見直しを頻繁に行う。
- - 逸脱検知システム: 異常な価格設定をリアルタイムで警告し、説明根拠を求めます。
3. CX AI(顧客体験の標準化)
- - 応対履歴の自動要約: 顧客からの問い合わせ内容を自動で要約し、顧客のタイムラインに保存。
- - 次アクションの提案: 見積もり提示後のフォローアップを自動で提案し、顧客の満足度を向上させます。
- - FAQ生成: 自動的に一次回答案を生成し、有人での最終確認を行います。
導入テストの実施内容
ストックラボでは、実際にReCOREとAIを連携させ、その効果を現場運用に支障をきたさない状態で検証しています。過去の運用データを元に、AIの提案を担当者が確認し、実行するという「Human-in-the-Loop」方式を採用。具体的な評価指標には、出品リードタイム、掲載品質、価格の一貫性などが挙げられ、総合的な評価を行います。
最後に
株式会社ストックラボの代表 尾太 駿氏は、「ReCOREを基盤にAIを運用の動線に組み込むことで、現場の手を離さずに自動化を進めている。価格と在庫、顧客対応の品質を同時に向上させ、お客様に納得していただけるサービスを提供していく」とコメントしています。この取り組みにより、ストックラボは次世代のリユース事業の在り方を模索し続けています。