地域活性化と学生の成長を目指す「おてつたび」の新たな試み
株式会社おてつたびは、東京経済大学コミュニケーション学部と協力し、学生に地域との交流の場を提供する新たなプロジェクトを始めました。この取り組みは、学生たちが地域に積極的に関与し、その経験を通じて自己理解を深めることを目的としています。地域の人手不足を解消するため、旅行者と地域の事業者をつなぐマッチングサービス「おてつたび」では、旅行とお手伝いを融合させ、地域の価値を高めることに貢献しています。
「おてつたび」について
「おてつたび」は、旅行者が地域の農家や宿泊施設で「お手伝い」をするという新しい旅のスタイルを提案します。このサービスは、季節的な人手不足を背景にしており、地域の観光名所から外れた場所でも新たな訪問者を呼び込むことを目的としています。これにより、地域活性化を促し、地域に対する理解と関与を深化させることが期待されています。
2023年現在、登録者数は約7万人、受け入れ事業者数は全国で1,900件を超えています。参加者の約半数が大学生で、キャリア教育の一環としても注目されています。このように、「おてつたび」は教育機関との連携を積極的に進めており、大阪観光大学や流通科学大学ともパートナーシップを結んでいます。
東京経済大学コミュニケーション学部の教育
東京経済大学のコミュニケーション学部は、現代社会における多様なコミュニケーションの形を学ぶことを目指しており、理論と実践を重視した教育プログラムを提供しています。同学部は、国際コミュニケーション学科とメディア社会学科の2つの学科から成り立っており、少人数教育を通じて対人関係力や異文化理解能力を養います。このような教育的背景が、学生たちにより豊かな経験をもたらしています。
連携の目的と意義
新たな連携により、コミュニケーション学部の約1,000名の学生に「おてつたび」の仕組みを理解してもらい、地域に身を置くことで異なる価値観や働き方を知ることが狙いです。参加した学生の90%以上が、この経験がキャリアや人生において大きな影響を与えると感じており、その結果、彼らの価値観の広がりと地域の価値創造が両立することを期待しています。
また、学部長の佐々木裕一氏は、「学生が地域の魅力を発見し、自分の適性や進路を見つけられることを望んでいる」とコメントしています。今後は、複数回のゲスト講義や地域での就業機会を通じて、学生たちが安心して地域に訪れるための環境を整えていく予定です。
経験がもたらす価値
株式会社おてつたびの代表である永岡里菜氏は、「経験は誰にも盗まれない」との信念を持っており、地域での「働く」体験が学生の価値観を再考させる機会になると語ります。彼女は多様な視点を得ることで学生たちの学びが広がり、さらに地域における人手不足への解消も図られることを望んでいます。
おてつたびが学生と地域との新たなつながりを生むことで、教育機関や地域社会が共に成長していく様子が期待されています。この取り組みが今後どう発展していくのか、目が離せません。