リサイクル新システム
2022-08-18 15:00:01
廃棄衣料品からポリエステル原料を再生する新たな取り組み
新たなリサイクルシステムの構築
近年、環境問題への意識が高まる中、廃棄物の管理や再資源化に関する取り組みが重要視されています。その中でも特に衣料品のリサイクルは、大きな注目を浴びています。このたび、ファイバーシーディーエムと帝人フロンティアの2社が協力し、廃棄衣料品からポリエステル原料を再生するためのリサイクルシステム構築に取り組むことを発表しました。
背景
日本国内では、年間およそ50万トンの衣料品が廃棄されていますが、そのうち再資源化されるのはわずか5%の2.4万トンに過ぎません。残りの大部分は焼却や埋め立て処理され、資源の無駄遣いや環境への悪影響が懸念されています。この状況を改善すべく、ファイバーシーディーエムは1982年の創業以来、古着のリサイクルに取り組んできた企業です。また、帝人フロンティアは1995年からポリエステルリサイクル技術の開発を続け、今年には新たなケミカルリサイクル技術を確立しました。両社の専門知識と技術を結集することで、廃棄衣料品のリサイクルを効率化することが期待されています。
取り組み内容
新しいリサイクルシステムは、ファイバーシーディーエムの古着回収ネットワークと、帝人フロンティアのポリエステル再生技術を融合させて構築されます。具体的には、ファイバーシーディーエムが目指す回収のスキームとして、アパレルショップや小売店、自治体からの古着集めを強化します。そして、回収した衣料品の中からポリエステル素材を含む製品を選別し、高品質な再生ポリエステル原料を製造するための技術開発に着手します。
一方、帝人フロンティアは、集められた衣料品からリサイクルチップを生産し、その品質評価を通じて、生産された原料の利用価値をさらに高めることを目指します。これにより、リサイクルされたポリエステル原料をもとに様々な製品を生み出すことが可能になります。
今後の展望
今後、ファイバーシーディーエムは2022年秋より、衣料品回収用のボックスを小売店に展開し、回収率の向上を図ります。そして2025年までには、廃棄衣料品の選別と原料生産技術の確立を目指し、持続可能な衣料品のサーキュラーシステムを構築する予定です。さらに将来的には、ナイロンや綿、ウールなど他の素材においても、持続可能なリサイクルを実現できる仕組みを整えていく構想があります。
結論
ファイバーシーディーエムと帝人フロンティアの取り組みは、廃棄衣料品の「ゼロ」を実現するための大きな一歩といえるでしょう。今後もこのような企業連携による取り組みが広がることで、持続可能な社会の実現へと近づいていくことが期待されます。環境に優しい未来を築くため、私たち一人ひとりの意識も変えていく必要があると言えるでしょう。
会社情報
- 会社名
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帝人フロンティア株式会社
- 住所
- 大阪府大阪市北区中之島3丁目2番4号中之島フェスティバルタワー・ウエスト
- 電話番号
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06-6233-2600