カラオケ市場が復活の兆し、2024年度は3200億円規模に
コロナウイルスの影響を大きく受けたカラオケ業界が、2024年度にはV字回復を果たし、市場規模が3200億円に達する見通しです。この回復は、忘新年会などのイベント利用者の増加や訪日観光客の流入、さらにはファミリー層の楽しみ方が影響しています。
市場の動向と回復の要因
帝国データバンクによると、カラオケボックスの運営企業の売上高は、2021年度に1740億円まで落ち込んでいましたが、2024年度には3485億円に迫る勢いとなっています。特に都市部では、宴会利用が再び活発化しており、これが業界全体の売上を押し上げています。
また、郊外ではファミリー層の需要が好調で、飲食や娯楽を目的にカラオケを利用する世代が増えています。業界では、大手カラオケチェーンが新規出店を行い、設備の更新を進めており、これが利用者数の増加につながっています。
「歌わないカラオケ」の人気
最近のトレンドとして注目されているのが「歌わないカラオケ」です。防音性の高い個室を利用し、オンライン会議やグループでのDVD鑑賞など、多目的に利用する人々が増加しています。特に、アイドルの活動に参加する「推し活」ユーザー層が広がり、専用の高性能音響設備を備えた部屋が人気を集めています。この新たなニーズに応えるため、カラオケ店舗ではエンターテインメントに特化した設備の充実も図っています。
業界の課題と未来
一方で、物価上昇や人件費の増加、さらには激化する店舗間競争が業界にとっての課題となっています。顧客単価の向上が求められる中、飲食メニューの多様化やサービスの向上が求められています。カラオケ市場は来年度以降も、宴会需要の増加が見込まれる一方で、競争がさらに激化する可能性があります。
2025年度には、宴会需要の回復が続く見込みで、カラオケボックス各社の業績がどのように変化するかが注目です。国民的な娯楽として再生機能を果たすカラオケ市場の動向に、今後も注目していきたいと思います。