AI技術で挑むスポーツ解析の新境地
株式会社MIXIとPlayboxが共同で挑戦した「SoccerNet GSR Challenge」が話題を呼んでいます。この国際的な競技会は、AIとコンピュータビジョン分野での最先端技術を駆使して、サッカーの試合映像からゲームの状態を自動で再構築することを目的としています。MIXIは、このコンペティションで世界4位という素晴らしい成果を収めたことを発表しました。
競技会の背景とは
世界最高峰のコンピュータビジョン学会である「CVPR(The IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition)」において、2025年のサッカー映像解析コンペティション「SoccerNet GSR Challenge」には、世界中から76チームが参加しました。このコンペティションは、サッカーの試合を2Dで認識し、プレイヤーの役割や相対的な位置を明確にする技術を競います。
MIXIとPlayboxの協力
昨年から始まったMIXIとPlayboxの協業は、AIを活用したスポーツ映像解析における新たな可能性を探るもの。両社は、トラッキングやイベント検出などの技術を駆使し、データ分析の基盤を構築しています。この努力の結果、MIXIとPlayboxのチームは、高精度な解析が求められる中で4位を獲得しました。
技術が実現したこと
GSR(Game State Reconstruction)は、サッカー映像における戦術分析やプレー評価に欠かせない技術です。この技術を実現するには、複数のAI技術の融合が必要です。具体的には、フィールドやプレーヤーの検出、背番号や所属チームの識別、選手のトラッキング、そして位置関係の推定などが組み合わさっています。
特に、今回の研究ではディープラーニングモデルや幾何学的推論が駆使され、サッカーに特有のドメイン知識が活用されることで、従来の手法を大きく上回る精度向上を実現しました。これにより、試合映像から選手の役割や位置情報を高精度で把握できるようになったのです。
今後の目標
MIXIとPlayboxは、さらなる技術の発展を目指しています。現行の解析パイプラインでは処理に時間がかかるため、効果的な並列処理や推論の最適化を進める計画があります。また、選手の役割や背番号の識別など、解析精度を上げるための改善も続けていくとのことです。
スポーツ解析がもたらす未来
このプロジェクトで得られた知見と技術は、スポーツの戦術分析やトレーニングに直接応用できるだけでなく、ファン体験の向上にもつながると考えられています。MIXIとPlayboxは、AIを活用した技術革新を進めることで、コミュニケーションに新たな付加価値を加えていくことを目指しています。
参加メンバーの声
PlayboxのCEO、スコット アトム氏は、「公開データのみを用いて前年よりも高い精度を達成したことは、AI技術が急速に進化している証拠です。」と述べています。一方、MIXIのAIモデリンググループマネージャー、渡辺莉央氏も「難易度の高いタスクに挑戦し、世界4位という成果を得ることができたことは、未来のスポーツ解析に向けた希望を感じさせます。」とコメントしています。
今後もMIXIとPlayboxの共同研究に注目が集まる中、スポーツ技術の進化がどこまで進むのか、目が離せません。
会社概要
MIXI
Playbox