訪日外国人向けの新たな医療サポート体制
近年、日本を訪れる外国人観光客の数が年々増加していますが、彼らが滞在中に体調不良を経験することも少なくありません。実際、観光庁の調査によると、訪日外国人の約4%が何らかの体調不良を訴えています。このため、訪日外国人向けに新しい医療機関や医薬品情報提供サービスの実証事業が始まることとなりました。
実証事業の背景
株式会社メディ・エンジンと昭文社ホールディングスが共同で展開するこのサービスは、訪日外国人が抱える医療関連の課題を解決することを目的としています。「症状に合った病院が分からない」「自分の症状を正確に伝えられない」といった問題が、観光地でのストレスや不安を生む要因となっています。
この実証事業は、医療情報の提供だけでなく、観光施設におけるフロント業務の負担軽減や医療費の未払い問題など、観光業界全体に寄与することも目指しています。
本サービスの概要
「Japan Medical Advisor」というプラットフォームを介して、訪日外国人観光客には、エリアごとに外国人受け入れ医療機関の情報や市販薬の案内が提供されます。宿泊施設に設置される医療機関マップにはQRコードが付いており、これをスキャンすることで自身の症状を入力し、最適な医薬品や医療機関を迅速に見つけることができるようになります。
この仕組みによって、訪日外国人は日本国内でも自国にいるかのように医療サービスを利用でき、快適な観光体験を提供されることになります。特に、風邪や発熱、下痢といった比較的軽症の症状に対して、適切な医薬品情報を得ることで、即座に必要な対処が可能となります。
具体的な実施内容
本実証事業は2025年12月25日から2026年3月31日までの期間で行われ、東京都内の新宿、渋谷、浅草、六本木のエリアが対象となります。対象言語は英語と中国語(簡体字)で、国際的な観光客に対しても配慮がなされています。
その中で、メディ・エンジンは医療・医薬品に関する専門的な知見に基づいてプロジェクトの設計と推進を行い、昭文社ホールディングスはデジタル地図の知識を活かしてサービスの設計に貢献します。両社はこれにより、訪日外国人が日本で安心して過ごすための土台を築くことを目指しています。
未来への展開
この実証事業を通じて、有用性と課題を明らかにし、2026年4月以降の本運用につなげる計画です。これは、訪日旅行者が医療サービスを利用する際の障壁を取り除く大きな一歩です。全ての外国人観光客が安心して日本を楽しめるよう、両社の取り組みに期待が寄せられています。
今回のイニシアティブは、訪日外国人のみならず、国内の医療サービスの質向上にも寄与することを目的としています。医療へのアクセスが平等である世界の実現に向けた新たな一歩が、ここから始まります。