フランスVSORA社がAI推論チップ「Jotunn8」のテープアウトを発表
フランス・パリから、半導体業界を揺るがすニュースが届きました。2025年に向けて、次世代AIプロセッサのリーダーであるVSORA社が、データセンター向けの人工知能推論を支える革新的なチップ「Jotunn8」のテープアウトに成功したと発表しました。このマイルストーンは、同社が設計段階から製造への移行を果たし、AI推論チップの世界的なサプライヤーの上位に位置づけられる重要なステップです。
Jotunn8のテープアウトとは?
このテープアウトは、VOSRA社にとって重要なエンジニアリング成果であり、チップアーキテクチャの完全性を確認したことを意味します。また、これにより、信頼性の高い工業生産への道が開かれ、業界におけるリーダーシップが強化されます。
CEOのKhaled Maalej氏は「業界はまさに壁にぶつかり、その壁がメモリというボトルネックであった」と語ります。Jotunn8は、その問題に挑戦し、AI推論の効率を飛躍的に改善することを目指しています。
Jotunn8の特徴
Jotunn8は、AIの性能向上に寄与するために特別に設計されています。その主要な特徴には以下の点が含まれます。
- - 画期的なパフォーマンス: 288 GBのHBM3eメモリを搭載し、3,200 Tflopsの計算能力を誇ります。
- - エネルギー効率: 競合他社のチップに比べて消費電力を50%削減。
- - 効果的な設計: チップレットベースのアプローチによりコスト効率を向上。
- - 展開の柔軟性: 幅広いAIインフラストラクチャにシームレスに適応可能。
このような特長により、Jotunn8はデータセンターからエッジデバイスまでのAIの普及と利活用を促進します。
グローバル・パートナーシップの重要性
さらに、VSORAはTSMCの5nmプロセス技術と先進的なCoWoSマルチチップパッケージング技術を使用し、Jotunn8のパフォーマンスを向上させています。この技術的進歩は、VSORAの戦略的パートナーであるGUCとの緊密な協力によって実現しました。GUCのヨーロッパ担当ゼネラルマネージャーであるAlex Huang氏は、「優れたパフォーマンスを備えたJotunn8を市場に投入できることを誇りに思っています」と述べており、両社の強いコラボレーションが功を奏しています。
AI推論の未来へ
現在、世界のデータセンターへの投資やパートナーシップの構築が進む中で、Jotunn8は新しい可能性を開く存在となります。データ管理やAIアプリケーションの効率的な展開は、今後の技術革新の重要なテーマとなるでしょう。「私たちはAIの成長を支えるためのアーキテクチャを目指しました」とMaalej氏は強調します。Jotunn8は、その特性により、AIの利用がより広範囲にわたって行われることを可能にします。
弊社の展望
VSORA社は、2015年に設立された企業であり、AI推論ビジネスの中心的な役割を果たすことを目指しています。日本、韓国、シンガポール、台湾にオフィスを展開し、グローバルなビジョンを持つこの企業は、AIデータセンターから自動運転、産業用ロボットに至る幅広い用途に対応した半導体ソリューションを提供しています。今後も新たな技術革新により、持続可能な成長を実現していくことでしょう。
詳しくは
VSORAの公式ウェブサイトをご覧ください。