モースマイクロが挑戦した新たな境地
2024年9月13日、オーストラリアのファブレス半導体企業モースマイクロ(Morse Micro PTY. LTD.)が、900MHz Wi-Fi HaLow技術を利用し、業界に一石を投じる長距離ビデオ通信テストの成功を発表しました。テストは、カリフォルニア州の象徴的な自然公園、ジョシュアツリー国立公園で行われ、16キロメートルという驚異的な距離での実施となりました。
Wi-Fi HaLow技術とは
Wi-Fi HaLowは、IoT(モノのインターネット)及び次世代の接続性を支えるために設計された技術です。この技術は、他のWi-Fi技術に比べて長距離での接続性が強化されており、特に広大な農地や遠隔地での用途においてその真価を発揮します。
テストの設営
モースマイクロは、テストに向けて静かな谷の側にアクセスポイント(AP)を設置しました。その際に使用したのは、MM6108-EKH01評価キットで、数多くの標準的な機器を組み合わせて、その実用性をチェックしました。特に、カメラなどのバッテリー駆動機器にも適している点が重要でした。テストでは意図的に高出力の機器は避け、Wi-Fi CERTIFIED HaLowの互換性を保つことを重視しました。
理論の実践
テストでは、無線信号が移動する最大距離を計算した上で、実際のスループット性能を試すことに焦点を当てました。使用したフリスの伝達公式によれば、15.9kmの距離で116dBの信号損失が予測される中で、現実的には2Mbpsを維持することに成功しました。これは、単に接続を維持するための数字ではなく、実際のアプリケーションに使えるデータ速度を提供するものです。
様々な応用シナリオ
モースマイクロの技術は、ボディーカメラからアウトドア・アドベンチャー用のトランシーバーまで、幅広い用途に応用可能です。特に、地理的に分散した環境でのIoTソリューションの展開や、農業・採掘等における通信において、信頼の置ける接続性を期待できます。
まとめ
モースマイクロのジョシュアツリー国立公園におけるテストは、単に数値を超えた真の技術の価値を示すものでした。新しいWi-Fi HaLow技術が、困難な環境でも接続を可能にし、それにより多様な産業や用途においてイノベーションを促進する力を持っていることが今回のテストで立証されました。
今回のテストの模様は含まれていませんが、関連動画が公開されています。この成果は、モースマイクロがIoT社会をさらに進化させるために果たす役割を示唆しています。
今後もモースマイクロは、次世代の接続性への挑戦を続けていくことでしょう。