大学における障害学生の受け入れ状況、2024年調査の結果分析

大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2024

2024年の調査では、大学における障害学生の受け入れ状況、特に受験時の配慮についてのデータが収集され、具体的な傾向が明らかになりました。調査対象となったのは全821校の大学と大学校で、実際に回答を寄せたのは381校であり、回答率は約46％でした。

受験時の配慮の重要性

受験時における配慮は、障害を持つ学生にとって非常に重要です。大学側は、受験生からの要望に基づいて多様な支援を行っていますが、その実施状況にはばらつきが見られました。特に試験時間の配慮や解答方法の選択は、合格の可否に直結するため、しっかりとした検討が必要です。

試験時間の配慮

調査では、試験時間の延長についての実施状況が報告されています。「1.3倍」や「1.5倍」といった延長措置は、多くの大学で導入されている一方、聴覚障害、精神障害、知的障害を持つ受験生に対する「1.5倍」の実施校は減少傾向にあります。特に精神障害での減少が顕著であり、注意が必要です。このように、時間の配慮が十分に実施されていないことが懸念されます。

解答方法の配慮

視覚障害を持つ学生に対する解答方法としては、「拡大文字」が主流ですが、他の配慮が行われていない大学も多く残されています。このような状況が続くと、特に視覚障害のある学生は受験機会を喪失する可能性が高まります。肢体障害の学生にとっても、パソコンや意思伝達装置の利用が求められているため、全体的な合理的配慮の拡大が必要です。

面接試験での配慮

面接試験における合理的配慮の実施状況を見ると、聴覚障害のある受験生には筆談による面接が多く採用されています。その数は117校に上りますが、依然として「一般学生と同じ」方式を選択する大学も少なくありません。この選択肢が多いのは、面接の際のコミュニケーション不足を生む可能性があり、支援が重要です。

精神障害の学生についても面接での配慮が急務であり、今後の改善が求められています。

改善が求められる現状

この調査からは、各大学が障害学生に対する配慮を進める必要性が浮き彫りになりました。制度上の支援があるとはいえ、その実施状況は大学によって異なります。特に、受験生が自分の障害に応じた適切な方法で受験できるような環境の整備が早急に求められています。

未来への展望

今後、2025年5月には本調査の詳細や大学ごとの応じた状況などを発表する予定です。また、障害者版の大学案内も登場することで、受験生にとって有益な情報が提供されるでしょう。さらに、機関誌もオンラインでの配信が開始され、より多くの人々がアクセスできるようになりました。

障害職業教育専門機関への要望として、学生のニーズに応えるための配慮を増やすことや情報提供のあり方を見直すことが挙げられます。このようにして、障害を持つ学生たちが自分に合った道を歩むための助けとなることが期待されます。