大阪ガスが新たな挑戦、千里蓄電所の商業運転開始
2025年8月20日、大阪ガス株式会社が共同出資する千里蓄電所が、日本国内で初めての系統用蓄電所として商業運転を開始しました。この千里蓄電所は、大阪府吹田市に位置し、定格出力11MW、定格容量23MWhのリチウムイオン電池を使用しています。
蓄電池の重要性
近年、再生可能エネルギーの導入が進む中、その発電量は天候に大きく左右されます。特に太陽光や風力は、出力の変動が激しいため、電力供給の安定が課題となっています。これを解消するため、千里蓄電所は電力の供給過剰時に蓄電し、不足時に放電する役割を担います。このように、系統用蓄電池の必要性が高まっている背景には、国の第7次エネルギー基本計画でも示された再エネの普及があります。
エネルギートランジション2050
Daigasグループは、2050年のカーボンニュートラル社会の実現を目指しています。この中で、再生可能エネルギーの導入拡大と電力系統の安定化を両立させるため、蓄電池事業の拡充を進めています。特に、2030年度までに蓄電池運用規模を1,000MWにまで拡大することを目指しており、千里蓄電所はその第一歩となります。
企業ごとの取り組み
千里蓄電所プロジェクトには、伊藤忠商事や東京センチュリーなどの企業も参画しています。伊藤忠商事は家庭用蓄電池のデマンドレスポンス事業や、AIを活用した電力需給予測を行い、電力の調整力を強化しています。一方、大阪ガスは系統用および併設型の蓄電池運用を通じて、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいます。
東京センチュリーも、事業拡大を進めており、蓄電池発電所の新設や運用を重点的に推進していることから、電力系統の安定化に寄与することが期待されています。
まとめ
千里蓄電所の商業運転開始は、大阪ガスとパートナー企業にとって大きな節目となりました。このプロジェクトを通じて、再生可能エネルギーの普及促進と電力系統の安定化が進むとともに、脱炭素社会への道が切り拓かれていくことでしょう。これからの展開に注目が集まります。