不登校・発達障害の子どもたちを支援する訪問看護の新しい形
京都・宇治を拠点に、発達障害や不登校などの子どもたちとその家族を支える「ギフテッド訪問看護ステーション」が新たな挑戦を始めました。この事業は、全国に向けた訪問看護の仕組みを広めるべく、クラウドファンディングを実施しています。目標金額は50万円で、主に児童精神や親子支援に対する人材育成や支援体制の拡充に充てられる予定です。
文部科学省の調査によれば、通常の学級に在籍する小・中学生の中で著しい困難を抱える子どもたちは約8.8%、つまり35人のクラスに約3人が特別な支援を求められています。しかし、支援が必要であってもその場にたどり着くことが困難な状況が多々あり、支援の手が届かない家庭も存在します。例えば、学校に行けなくなる、目を合わせられなくなる、朝起きられなくなるといった症状が現れます。これに悩む保護者も、子どもに対してどのように接すれば良いのか分からないといった不安を抱えています。
京都で子どもとその家族に向き合っている中で、最も支援の届きにくい場所が「家庭」であることが明らかになりました。そこで同ステーションは、訪問看護の形を採用しました。支援者が自宅を訪れることで、子どもたちやその家族が抱える問題に直接向き合うことが可能になります。子どもが通うべき場所に連れて行くのではなく、支援者自身が家まで訪問するスタイルは、より実態に即した支援方法です。
訪問看護ステーションでは、「家族」という単位でのサポートに力を入れています。実際に支援を行うと、孤立してしまうのは子どもだけでなく、その保護者も同様です。子どもが学校に行けなくなることで、保護者もまた答えの見えない不安を抱え込むことになります。このため、同ステーションでは、子どもの様子だけでなく、保護者の話にも耳を傾け、共にサポートする姿勢を大切にしています。
ある事例を挙げると、私たちの支援を受けた小学生の子どもは、最初は学校へ行くことができず、人と目を合わせることすらできませんでした。看護師はその家庭を訪問し、徐々に信頼関係を築いていきました。いきなり「学校へ行こう」とは言わず、少しずつコミュニケーションを取り、子どもが少しずつ勇気を出せるようサポートしました。子どもが最終的に自分の足で学校へ行くまでに至ったのは、看護師との関係が大きな要因となっています。この支援のスタイルが目指すのは、最終的に障害を持つ子どもたちが自信を持ち、将来的に社会で自分らしく生きられる力を育むことです。
この取り組みを始めたのは、代表の田川和輝氏です。彼はIT企業の立ち上げや幼児教室の運営を経験し、その中で経済的負担が大きく、支援を受けられる人が限られている現実に直面しました。そこで、自らの経験をもとに、発達障害の子どもにも医師の指示のもとで訪問看護を利用できる仕組みを構築し、ギフテッド訪問看護ステーションを設立しました。
宇治市には約14,000人の人口があり、その中で特別な支援を必要とする子どもは約1,200人にも上るとされます。しかし、専門職が自宅まで訪問するためには、人手や資金も必要です。訪問看護を受ける際の自己負担は月200円からであるため、経済的に支援を受けやすい環境を整えることが目指されています。
今回のクラウドファンディングは、京都から全国へ向けてこの訪問看護のモデルを広めるための挑戦です。「大きな組織」ではなく、「たくさんの玄関」での支援を増やすことが本プロジェクトの目標です。私たちが増やしたいのは、必要としている家庭の近くで「今日、家まで行きますよ」と言える支援者です。この取り組みは、単に「明日、学校へ行けるか」という現在の問題解決だけでなく、今10歳の子どもが20年後にどうなるのかを考える事業でもあります。
ギフテッド訪問看護ステーションは、この支援の拡大を通して、いつの日か日本のすべての家庭に「家まで来てくれる人がいる」という選択肢が当たり前に存在する社会を築くことを目指しています。
是非、CAMPFIREのプロジェクトページをご覧いただき、この新たな挑戦に興味を持っていただければ幸いです。