電通と日立が連携し食品ロス削減に向けた生成AIプロジェクトを始動
日本の広告業界をリードする株式会社電通とデジタル部門の株式会社電通デジタル、そして総合電機メーカーの株式会社日立製作所は、生成AI分野での新たな協業プロジェクト「AI for EVERY」を始めることを発表しました。このプロジェクトは、生活者のニーズに根ざした革新的な生成AIサービスの開発を目指しており、特に食品ロス削減に貢献することを主な目的としています。
この取り組みの背景には、最近の生成AIの進化とその適用が進む中で、社会の中で解決すべき課題とされる人手不足や廃棄ロスの問題が存在します。今後、生活者と企業の接点をより良くすることを目的とし、電通の経験と日立の技術が組み合わさることで、効率的かつクリエイティブな解決策が提供されることが期待されています。具体的には、流通業界向けの新サービスとして「今日の気まぐレシピ」を展開し、食品ロス削減策を実行に移していきます。
プロジェクトの詳細
本プロジェクトの第1弾として、日立の高精度な需給予測技術と、電通デジタルによるUXデザインやデジタル広告の専門知識を利用した「今日の気まぐレシピ」がスタートします。小売業者は、気候や季節、ごく最近の購買傾向などに応じた在庫調整が必要ですが、多くの店舗では、売れ残りの食材が廃棄されています。この課題を解決すべく、日立が提供する在庫管理システムを活用して、売れ残る可能性が高い食材を予測し、それに基づいて生成AIが提案するユニークなレシピやクーポンを生活者に提供する仕組みが導入されます。
この方法により、「売場」での食材が大切にされ、廃棄ロス削減へと繋がる購買行動が促されるのです。店舗におけるデジタルサイネージを使って、最適なタイミングで関連情報を届け、消費者に新しい食材の「発見」をサポートします。これにより、流通業者、栽培者、消費者との間で新たなマッチングが生まれ、各社の利益にも繋がるでしょう。
期待される効果と今後の展望
このプロジェクトが成功すれば、食品ロスをはじめとした社会課題の解決に大きく寄与することが期待されます。また、今後は金融業界向けのAIエージェントや生体認証を活用したサービス、さらにはNFTアートを組み込んだ商品サポートといった多様な分野への展開も計画されています。
電通デジタルの山本覚氏は、クリエイティブとテクノロジーの結集によって企業の変革を実現し、社会的な課題解決に貢献することの重要性を強調しています。日立の吉田順氏も、人とAIの共存を重視し、より良いAI体験を提供していく意欲を示しました。これからの「AI for EVERY」プロジェクトの進展により、企業と消費者とのつながりが一層強化されると同時に、社会全体の成長にも寄与することが期待されています。
活動は今始まったばかりですが、今後の進展に注目が集まります。また、この協業は、オープンイノベーションを促進し、より効果的な生成AIサービスの提供を目指していくものです。これからの社会にどのような影響を与えるのか、非常に興味深い試みとなるでしょう。