駆逐艦「蕨」の発見
2023-03-31 11:00:02

93年の時を経て発見された駆逐艦「蕨」の3Dモデル化成果

93年の時を経て発見された駆逐艦「蕨」の3Dモデル化成果



2020年、長い間海の底に眠っていた駆逐艦「蕨」が発見され、その3Dモデル化が行われました。このプロジェクトは、株式会社ワールドスキャンプロジェクト(WSP)と九州大学浅海底フロンティア研究センターなどの共同研究によるもので、93年前の美保関事件に関する重要な発見といえます。

美保関事件とは?


美保関事件は、1927年8月24日に発生した旧日本海軍の軍艦4隻が夜間演習中に衝突し、119人が犠牲となった悲劇的な事故です。この事件により、駆逐艦「蕨」(全長88メートル)が沈没しましたが、沈没地点や詳細な状況は長年不明のままでした。今回の調査により、この歴史的事件の新たな事実が明らかになったのです。

水中3Dスキャンロボット「MURAKUMO」の活用


WSPが開発した水中3Dスキャンロボット「天叢雲剣(MURAKUMO)」が今回の調査で大きな役割を果たしました。このロボットは、鮮明な映像を元にミリ単位の精度で駆逐艦「蕨」の3Dモデルを作成し、その視覚化に成功しました。これにより、船体の劣化状況や漁網が絡まることによる損傷など、具体的な状態が明らかになったのです。

調査の進行と成果


調査は2回に分けて実施されました。2020年9月には、松江市美保関町から北東33.4キロの水深約96メートル地点において、艦首部分が発見され、デジタル3Dモデル作成用のデータが収集されました。続く2021年7月の調査では、艦首から北北西に約10キロメートル離れた水深約180メートル地点で、船体後部も発見され、さらなるデータが取得されました。

歴史的事実の継承


今回の3Dモデルは、美保関事件の慰霊の会などで地元に報告され、歴史的事実の継承に向けた貴重な資料となりました。このような調査によって、長年埋もれていた歴史が再び光を浴びることとなります。

メタバースでの展開


今後は、3DモデルをARやVR、メタバースのプラットフォームで活用し、駆逐艦「蕨」の貴重な映像やデータを広く発信していく予定です。これにより、後世にその歴史を残し、水中遺産を守っていくことの重要性を啓蒙していきます。

WSPのビジョンと活動


株式会社ワールドスキャンプロジェクトは、未解明の謎を解明し、世界遺産を後世に残す活動を行っています。国内外の専門家と協力しながら独自のドローンやロボットを利用した撮影を行い、3D空間に映像を再現してデジタルアーカイブとして保存する取り組みに力を入れています。

このような技術革新が、私たちの歴史の理解を深め、未来の学びに繋がっていくことを期待しています。

会社情報

会社名
株式会社ワールドスキャンプロジェクト
住所
東京都新宿区西早稲田2-18-23スカイエスタ西早稲田 2F
電話番号
03-6670-1692

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