物価高でお年玉が減少？60代以上の実態調査結果

インフレとお年玉に関する実態調査

年末年始が近づく中、シニア世代がどのようにお年玉を取り扱っているのかを検証する調査が行われました。調査を実施したのは、シニアのフリーランス求人サイト「レガシーフォース」を運営する株式会社モロで、対象は60代以上の500名です。この調査は、今の物価高状況が彼らのお年玉にどう影響しているのかを明らかにするものです。

お年玉を増やさない理由

調査結果によると、2026年のお年玉について「増やさない」と答えたのは426名、つまり85.2%にも上ります。この数字は、ほとんどのシニアが金額を維持する意向を持っていることを示しています。設問の中で挙がった主な理由としては、「物価高は関係なく、一般的なお年玉の基準があり、兄弟姉妹間の公平性を保ちたい」というものがあり、特に274名がこの理由を選びました。また、60代以上の約6割はお年玉の支出が負担になっていると感じており、年金生活を送る人も多いこの世代にとって、限られた収入の中での出費は大きなストレスになっているようです。

インフレ実感の広がり

さらに、この調査では98%の人々が物価上昇を実感しているとの結果が得られました。338名が「強く感じる」と答え、151名が「やや感じる」としており、この世代の生活においてインフレの影響は無視できないものとなっています。多くの人が、日常生活の中で物価上昇を実際に体験しており、特にお年玉という形での支出に対する負担が一層増していると言えるでしょう。

お年玉の金額と実態

具体的な金額についてみると、お年玉の総額は「1〜3万円」が最も多く、次いで「3〜5万円」、「5〜7万円」と続いていますが、お年玉をあげる人数は通常2人であることが多いことが分かりました。一人あたりの金額としては、1万円が一般的な基準のようです。しかし、インフレの影響でこの金額の実質的価値は以前より目減りしています。たとえば、1995年の少年マンガ雑誌は1冊180円で、1万円あれば55冊も購入できましたが、現在は300円前後に上昇し、1万円では33冊しか買えなくなっています。このように、同じ金額でも実際に手にすることのできる商品数が減少している現実が浮かび上がっています。

まとめ

この調査からわかることは、物価高が進む中でも多くのシニア世代が金額を維持しようとする姿勢と、その中で感じる経済的な負担です。お年玉という文化が、インフレの影響を受けつつも続いていくのか、またその実質的な価値がどう維持されていくのかについては、今後も注意が必要です。これからの時代において、シニア世代がどのようにお年玉を渡すか、その実態にも関心が寄せられています。