ピティナがApple Musicに公式キュレーターとして登場
日本の音楽教育に広く貢献している一般社団法人全日本ピアノ指導者協会、通称「ピティナ」が、音楽配信プラットフォームのApple Musicに公式のキュレーターとして新しく参入しました。この取り組みは、1977年から続く大規模なピアノコンクール「ピティナ・ピアノコンペティション」の主催の一環として、全国に18,000人以上の会員を持つ同協会が、ピアノ音楽の普及や魅力の発信を目指したものです。
新たな音楽体験の提供
ピティナが開設したApple Musicの公式キュレーターページでは、ピアノ初心者から愛好者、教育者、未来の演奏家など、あらゆる音楽愛好者に向けて魅力的なプレイリストを提供する予定です。このプロジェクトの重要な特徴は、同協会が持つネット最大級のピアノ関連データベース『ピティナ・ピアノ曲事典』との連携にあります。現在、登録楽曲は約9万曲、音源数は1.6万曲、解説文は7千件以上に上るこの事典と連動させることで、音楽の鑑賞だけでなく、学びや音楽への理解を深める体験を目指しています。
プレイリストの多様性
Apple Musicでの第1弾となるプレイリスト「ピアニストSELECTIONS」には、2017年の特級グランプリ受賞者、片山柊さんと、将来が期待される鈴木愛美さんが参加しています。彼女は2024年に予定される浜松国際ピアノコンクールで日本人初の優勝を果たした実力派です。今後もさまざまなピアニストによって、さらなるプレイリストが展開されていく計画です。
聴き比べプレイリスト
また、国内外のピアノコンクールに合わせた「いま聴きたい! 聴き比べプレイリスト」も用意されています。これは同じ作品を異なる演奏者がどのように表現するのかを楽しむことができ、コンクール前の予習に最適です。これにより、聴くことを通じた音楽の楽しみがさらに広がります。
日本人作曲家の魅力
日本の心情や季節、文化を音楽で表現したいという願いから誕生した「日本人作曲家たちのピアノ曲」も紹介されます。国内で生まれた多様な作品を通じて、日本の音楽シーンにおける感性や創造力を感じ取る機会を提供します。
シーンに合わせた音楽提案
さらに「シーンで聴きたいピアノ曲」では、桜の季節や新緑の頃、さらには励ましが必要な瞬間にふさわしい曲を提案します。これらのプレイリストは『ピティナ・ピアノ曲事典』と連動しており、視聴者のシーンに最適な音楽を選ぶ手助けをします。
PTNA Recordingsの配信について
ピティナでは「PTNA Recordings」として、音楽レーベルも展開しています。これまでに1万曲以上の音源を誇るYouTubeチャンネル「ピティナ・ピアノチャンネル」から優れた録音を集め、Apple MusicやApple Music Classicalでの配信を行っています。このレーベルは、演奏者がより多くの聴衆に届く手助けをすることを目的として設立されました。
プレイリスト創作の募集
ピティナでは公式キュレーターとしての活動の一環として、Apple Music上で掲載するプレイリストのアイデアを広く募集しています。すべてのピアノ愛好者に「こんなプレイリストがあったら嬉しい!」と思える提案をぜひお寄せください。応募は公式サイトから可能です。
まとめ
今後もピティナは定期的にApple Musicでのコンテンツを更新し、多くの人々にピアノの魅力を届ける活動を続けます。「聴く人」だけでなく「弾く人」にとっても身近な音楽として、ピアノを楽しむ新しい文化を築いていくことでしょう。