ファミリーマートがエチオピア産コーヒー豆の持続可能性に取り組む
株式会社ファミリーマートが、自然関連財務情報開示のための国際的な枠組みであるTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)の提言に基づき、エチオピア産のコーヒー豆の栽培状況についての詳細なレポートを公開しました。この取り組みは、大手コンビニエンスストアとしては初めての試みとなります。
TNFDの背景とファミリーマートの取り組み
TNFDは、企業や金融機関が自然資本や生物多様性に関連するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを整備するための国際組織です。ファミリーマートは、この提言に基づく情報開示を実施することにより、自らの事業活動が環境に与える影響についての理解を深めると共に、持続可能な取り組みを強化しようとしています。
開示レポートの概要
レポートでは、ファミリーマートのオリジナル商品「ファミマカフェ」で使用するエチオピアイクガチェフェ産のモカブレンドコーヒーに焦点を当てています。以下にそのポイントをまとめます。
1.
生物多様性への影響: コーヒー豆の生産が水や土壌に及ぼす影響、及び農地転換による森林減少の課題を確認しました。
2.
伝統農法の実施: 地元の農場は元の森林を維持しつつ、シェードツリーを植え、ナチュラル精選によって水の使用を減らす方法が採用されています。不要なコーヒー果実部分は肥料に再利用されるなど、持続可能性が保たれています。
3.
農事指導の存在: 収量拡大に向けて新たな森林を開発するのではなく、枝の選定など現行の農地を最大限活用する方法が模索されています。
今後の展望
ファミリーマートは、エチオピア産コーヒー豆の持続可能な調達を継続し、農事指導を通じた伝統農法の推進に引き続き取り組んでいく意向を示しています。将来的には、オリジナル商品の原材料についての調査や分析も続け、生物多様性の保全とネイチャーポジティブに向けた施策を推進していく計画です。
専門家の意見
SDGパートナーズの田瀬和夫CEOは、「消費者に大きな影響を与えるコンビニ業界が商品出自と自然依存についての情報を開示することは、極めて重要な取り組みです。」と評価しています。
なぜエチオピア産コーヒー豆を選定したのか
ファミリーマートが本商品を選定した理由は以下の通りです。
- - オリジナル商品の優先: 自身の生物多様性保全方針に基づき、オリジナル商品の取り組みを優先しました。
- - 自然への影響が大: コーヒー豆は自然への影響が大きく、調達量も多いことから選定されました。
- - 品質の高さ: エチオピア イルガチェフェ産のモカ豆は高品質で「コーヒーの女王」とも呼ばれ、特に芳醇な香りと酸味のバランスが特徴です。
これまでの取組み
ファミリーマートは、「ファミマカフェ」の販売数に応じてエチオピアの子供たちの教育支援に寄付を行うなど、地域社会のサポートにも力を入れています。この活動は、トイレの設置やコーヒー文化を継承するための教科書寄付に役立てられています。
おわりに
ファミリーマートは、環境への影響についての理解を深め、持続可能な商品の開発に注力しています。今後も、地域密着でありながら、サステナブルな取り組みを進め、消費者と共に持続可能な未来を築いていく企業として期待が寄せられています。